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4話 ページ4



【不死川実弥】

名前を書けと白紙を出したら不格好な文字だが、ちゃんと書いて出された。しかし、何と読むのか全く分からん。


「お前は実弥(みみ)と言う名なのか?」


「随分、女らしい名前だな」と言えば顔を真っ赤にして「ちげぇ!」と怒られた。全く、沸点の低い男だ。


「じゃああれだ。実弥(みや)と呼ぶのだろう?」
「…てめぇ、遊ぶのもいい加減にしろよ……!」


遊んでなど全くいない。至って真剣だ。しかし、どうにもボクの真剣さが伝わらないらしい。


実弥(さねみ)だ。不死川(しなずがわ)実弥(さねみ)!!」


「ほぅ…」と驚かされる。これで実弥と呼ぶのか。最近の名前は難しすぎる。


「お前、今度から初対面の人間に漢字を教える時は横に平仮名も書いてやれ。一発で分かる奴など居らんぞ」


丁寧に忠告してやっているのに、前の男は全く聞く耳を持たない。本当に貴様、ボクの目の前でそんな態度とっていいんだな? 修行の時知らんぞ。フルボッコだ、フルボッコ。


「お前はなんて名前だ。書け」


そう言われて実弥から白紙を渡される。確かに、ボクはこれから実弥の師範となる女だ。名前や漢字ぐらい教えておかなくてはならないな。

ボクはスラスラと白紙に名前を書いた。


【殊卷】


「あ"? お前こそ、これなんて読むんだよ!? しゅ…しゅ?」


さっきから実弥が「しゅ」しか言わない。全くもって違うからゲラゲラと笑ってしまう。


殊卷(たつまき)だ。覚えておけ、小僧」
「読めるかんなもん!!」


弟子に逆ギレされた。
取り敢えず、師範の威厳を見せる為にも頭を五発程、殴っておいた。

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作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年9月15日 19時

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