アイドルとオタクとマネージャー∞

17.揺るがない ページ17

「その気持ちは揺らがないでええよな？」


『…はい。』


「やったら」


そこから出された大倉さんの提案は、ある意味業務提携というか。

私は個人で活動するけれど、大倉さんがマネージャーのように動いてくれて、今後の展開を一緒に作らないかというものだった。

大倉さんは普通の…かどうかは謎が多くてちょっとわからないけれど、芸能関係のお仕事をしているわけでもなく。

アイドル追いかけたりするのは好きだから、プロデュース業をしてみたかったし、そのつもりではいたと。

あの会場に居たのは本当に偶然で、興味を持って特典会で4人全員の列に並んだこと。

話してみて惹かれなかったらそれでお終いと思いながら、3人と話してみたもののピンと来なくて最後に私の列に並んで様子を見ていたこと。

そして、


「なによりも、なんか気になったんだよAのことが」


『あ…えっと…』


言い方があまりにも柔らかすぎて、返答に困ってしまうのは、もしかしたらこれは何かの…所謂詐欺とかそういうものなのではないかと思ってしまうから。


「あ、せや。

先に言うけどな。

勘違いされると面倒だから先に言うけど、今のは恋愛感情とか全く無いで？

そういう感情で気になったとかいうわけないやん」


「提携したら、ある意味商品やし。

そんなんに手を出すとか面倒すぎて嫌やわ」


『…は…ぁ、、、』


「あ、あと、これな。

俺、興味ないねん、女には」


『…え、、あ、えっと』


「やから、取って食ったりせんから、安心して？」


そう言われてすぐに


『はい。

よろしくお願いします…』


と答えた私に、


「やから。

警戒心なさすぎやろ」


微笑みながら手を差し出してきたから、反射的にした握手で私たちの提携が決まり、ソロとしてこれから活動していく道が出来上がった。

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