67-変われる？-(Side A) ページ18
ベッドにもう一度潜り込んで、
きれいな顔を眺めてから、頬を撫でる。
うっすらと開いた瞳。
なにかを言いかけた気もするけれど、
キスをしてすべて飲み込んだ。
そうして、もう一度眠りにつく。
今までで、一番シアワセだと思って胸に頭を寄せる。
こんなシアワセな日がずっと続けばいいね。
…私たち、やり直せるよね？
それなのに。
朝目が覚めた時には忠義はもういなかった。
私は休日。
ダイニングテーブルにはいつものように朝食が用意してあって、
仕事に行ったんだということがわかる。
ぼーっとした頭のまま、
洗面所に行って鏡で見た自分の顔。
なにも変わらないはずなのに、
もう少し早く起きて、
仕事に行くのを見送ればよかったと思い直す。
『…変えよう…変わろう…。
今からでも、変われる？』
そんな自問自答。
私は休みだから、久しぶりに忠義の店に行こうか。
そう思って準備をはじめて、
支度が終わってから、
用意された朝食の前に腰掛けた。
並んでいるのはいつもと変わらないのに、
違和感があるのは封筒があるから。
嫌な予感しかしないそれを手に取って中を覗く。
指先が震えてなかなかそれを出すことができない。
それでも何とか引き抜いたそれ。
広げなくてもわかるもの。
忠義の名前の方が埋まっていて、
半分は空欄になった薄手の紙。
『…なんで？』
手からすり抜けるその紙は慌てて拾い上げて、
忠義に会いたくなって家を飛び出した。
どこにいるかはわからないけれど、
店に行けばなにかがわかるかもしれない。
休日の開店時間は遅いはずだから、
まだ今なら間に合う。
…忠義、会いたいよ。
もう会えなくなるのも、
夫婦をやめるのもどれも嫌なの。
私を置いて行かないで。
どの道をどうやって来たのかもうわからないけれど、
店の扉にはまだ【Close】の札がかかっていた。
扉にも鍵がかかっていたけれど、
中を覗くと人の気配がある。
『…いた』
いないと思ったのに、ここに居た。
何かの時にためと渡されているこの店の扉の鍵。
少し震えた指でそれを握る。
家の鍵とぶつかってガチャガチャと音を立てる。
思った以上に手が震えていたことに気がついた。
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華絢(プロフ) - めちゃさん» めちゃさん、コメントありがとうございます(〃ω〃) もしかしたら…で当たりましたか？(ﾉω｀*)んふふ♪ すばるくんは怪しい存在なので、まだ大丈夫であればお付き合いください(〃ω〃) (2018年3月12日 14時) (
レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
めちゃ(プロフ) - ラストはちょっともしかしたらなんて思ってもみたしたが、文字で読むとゾクッしました。またあのすばるくんの感じが怪しいすぎて良かったです。また次作も楽しみにしてます。 (2018年3月12日 14時) (レス) id: c69cfecf41 (このIDを非表示/違反報告)
華絢(プロフ) - sangozygoさん» ありがとうございます(〃ω〃) どハマり！とっても嬉しいお言葉♪ あっちでもこっちでも、私、両手広げてお待ちしてます(〃ω〃) (2018年3月12日 8時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
華絢(プロフ) - ひみささん» ありがとうございます(〃ω〃) 続編ですかね♪ご期待に添えられるかは分からないのですが楽しんで頂けたら嬉しいです(ΦωΦ)！ (2018年3月12日 8時) (レス) id: 479a0f7ed2 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - 完結お疲れ様でした。いやー、こういうテイストがどハマりしたと思ってます。またあちらで絡みに行かせてくださいませ！ (2018年3月12日 7時) (レス) id: 2d16d0288e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華絢
| 作成日時：2018年3月5日 6時
