5-彼女-(SideA) ページ5
腕を組むように誘導されて、
体の半分が密着して、
そのまま裏路地に入り込んで、
目隠しされた入り口に滑り込むように入っては
適当に空いてるパネルを選んで…
エレベーターに乗り込んだ瞬間に
村上さんが覆いかぶさってきた。
数階上るだけなのに、膝が抜けそうになる。
この時点で、
いやその前から。
遊び慣れてる人だってことはわかっていたけれど、
もう後戻りもできないし、戻れなくなる。
部屋に入った途端、
靴も脱がずにエレベーターでの続きと言わんばかりのキスが再開されて、
息が上がり始めた時に、
村「ほんまにええんか?」
とニヤッとしながら問いかけられる。
『…』
頷くしかない私に、
村「Aは、ほんまにええ子やなぁ」
と目を見て、
初めて苗字ではなくて名前で呼ばれた。
と同時に、
高揚した気分で
『む…村上さん…』
と名を呼ぶと、
村「この状況は村上やなくて、信五やろ?」
噛みつかれるようにキスをされながら、
体の奥まで信五さんを受け入れて、
何度も
『…しん…ご…さん』
と言わされた。
それなのに。
村「終電まだ間に合うか?」
なんて身支度を整えながら言われる台詞。
村「明日も朝から仕事やしな」
さっきまで私の腕に絡まっていたネクタイを掴みながら、
私にも帰る支度を促すから、
フラつく足のまま服を拾い上げて一つずつ身につける。
そんな様子を片目に、
私用スマホを開いて何かをしているところを見ると、
彼女が居ないという台詞は信用できなしい、
一度寝たくらいで彼女にもなれないし、
彼女ヅラなんてしようものなら
自分が傷つくだけだと知らされる。
だけれど、駅までの道は腰に腕が回されて、
別れ際には柱の陰でキスをされる。
本気になってはいけないとわかっているのに、
こんなことをされては2番でも
それ以降でも良いとすら思えてくるし、
家に帰っても体の火照りが収まらない。
腕についた赤い痕と、胸元に付けられた赤い印。
まるで、
私はもう信五さんのモノだと知らされているようで、
さっき散々登り詰めらされたはずなのに、
自らの手で気持ちを収めるしかなかった。
そして、
翌朝、少しだけ気怠く目が覚める。
6-何事もなく-(SideA)→←4-人肌恋しい-(SideA)
210人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華絢(プロフ) - ひみささん» まったく違いすぎて、引かれないか不安ですΣ(゚д゚lll)ガーン (2018年2月19日 19時) (レス) id: 1867a62e47 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開、ありがとうございます(*^^*) 今までと違うテイストのようで、続きが楽しみです♪ (2018年2月19日 19時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:華絢 | 作成日時:2018年2月19日 18時