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39-チャンス-(Side隆平) ページ39

手を伸ばして頬にも触れるように、

髪の毛をそっとかきあげる。

驚いたように震えてから、


「…隆先生…」


と掠れたように呟くから、


丸「後悔はせぇへんの?

旦那のことはええん?」


と改めて聞きながら、

指先に力を込めて俯く顔をグイッと上に向かせて、

噛みつくようにキスをした。

洋服も脱がんと下着だけ剥ぎ取って

一度久々にAちゃんを味わう。

相変わらず僕のツボもわかっとるし、

逆に僕もAちゃんのことはわかっとる。

お互いに攻め合って求めあって。

普段寛ぐためのソファーの上で、

何度も頂点まで高め合ってから、

僕に跨ったままのAちゃんが、

クタッと僕にしなだれかかってくる。


「隆先生…」


丸「ん?」


「気持ち…よかった…」


丸「んふふ。急にどうしはったん?」


ゆっくりと頭を撫でる。

こんな時にこんなことを聞くのはあれやけど、

このまま帰るのもなんだか気持ち的に整理もつかへん。


丸「なぁ、旦那は満足させてくれへんの?」


もう直球で問いかける。


「…はい…」


丸「なんで?

してほしいこと言うたらええやん」


「…それは…」


丸「ほら、ここがええとか…」


Aちゃんが反応するところを

ひとつずつ触って、確かめる。

僕の上で跳ねるように感じる姿。

相変わらずええ感度。

…勿体ないなぁ。

あいつはこんなにええもん持っとるAちゃんに気付いてへんなんて。

もう一度…違うなぁ、何回か?

Aちゃんが好きなポイントを攻めまくったったら

起き上がれへんくらいぐったりしてもうたから、

服だけきれいに整えて部屋を後にした。

僕の時間がもうあれへんかったから。


久々にAちゃんを隅々まで味わったのに、

あっさりと帰って来れたのは

時間がなかったこともあるんやけど、

それよりもこのチャンスはまだあることもわかったし、

いろいろ考える時間も欲しかったから。


脳裏に過るのは復讐というような言葉。

なんだかんだ言いつつも、

あいつはAちゃんを手放すことはないと思う。

それってことは直接的にあいつに手を掛けるよりも、

Aちゃんに手を掛けた方が屈辱やない?

手にいれたものを取られる感覚を、

ジワリと味合わせてやりたい。




そう思ったら、

ドクンと大きく心臓が波を打って、

初めて味わうような興奮が一気に全身を駆け巡った。

40-違和感-(Side忠義)→←38-あかん子-(Side隆平)



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華絢(プロフ) - ひみささん» まったく違いすぎて、引かれないか不安ですΣ(゚д゚lll)ガーン (2018年2月19日 19時) (レス) id: 1867a62e47 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 新作公開、ありがとうございます(*^^*) 今までと違うテイストのようで、続きが楽しみです♪ (2018年2月19日 19時) (レス) id: 76e38abfc7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華絢 | 作成日時:2018年2月19日 18時

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