35 ｰabｻｲﾄﾞｰ ページ35
月曜日は代休で、火曜日に学校があった。
休みの日もやっぱり考え込んでしまった。
でもその度思い出してしまうから、体調はあまり良くなかった。
なぜあの日あんなに拒否反応を起こしてしまったのか。
昔のことが関係しているのはわかってる。
照に抱きしめられて、体が強ばって、心臓が痛いほどにうるさかった。
もう少しで突き飛ばしてしまう所だった。
教室に入ると、そこにはやはりいつも通り照がいるわけで。
席替えをしたからもう前後ではないけど、微妙に近い位置にいる。
｢おはよ｣
当たり前のように声をかける照。
俺も振り絞った声で返事をしたら少し裏返ってしまった。
自分の席に座ると、斜め前の照は否応なしに視界に入ってしまう。
その度に心臓がギュッとなって、しんどくなってしまうんだ。
昼休み、いつものメンバーで食堂に向かう。
まぁ俺は弁当なわけだけど。
食堂に並ぶ照の手に俺があげた財布があり、素直に嬉しい。
ジェシーが先頭を切って席を取ると、他のみんなも椅子に座り空いているのは照の隣だけ。
少し気まずいけど、そう思ってるのは俺だけだろうから出来るだけ普段通り振る舞う。
いただきます、とそれぞれ自分のご飯を食べ始め、授業の文句やら部活の話やらをしている。
正直耳には入っていない。
それは唐突にやってきた。
ふと足を広げた照にぶつかり、ボーッとしていた俺が顔を上げると照は驚いてこっちを向く。
ごめん、と発せられた口を見てじっとしていられなくて目線を下げる。
照の腕が目に入る。
もう一度抱きしめられたら、なんてことを考えたら恥ずかしくて体中の体温が上がった。
俺、もしかして好きなのかも……
そんなわけないと目線を上げると不思議そうな顔をした照と目が合う。
心臓が痛い。
ダメだ……こわい……
そう思うと同時に胃の中から今食べていたものが逆流してくる感覚。
何故か吐き気がして、持っていた箸を乱暴に置き立ち上がり、口元を抑えながら慌てて食堂を出る。
｢おい、阿部っ……！｣
後ろから照の声がしたのも確認できるほど頭の中は冷静だったけど、トイレに駆け込み全部吐き出す。
気持ち悪い……
モヤモヤして、目から涙がこぼれ落ちた。
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桜井サラ(プロフ) - ゆのんさん» コメントありがとうございます！励みになります…更新頑張ります！！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: fc4b9231a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年4月25日 8時
