11 ｰiwｻｲﾄﾞｰ ページ11
学校が始まって1週間。
相変わらず俺は阿部と2人……でいるわけではなく。
クラスの男子5人グループにいた。
もちろん阿部も一緒。
他はジェシー、慎太郎、北斗、というやつだ。
学校内では今日から仮入部が始まるらしく、グループの会話はその話で持ちきり。
｢阿部は入んないんだっけ｣
｢うん、照はダンス部？｣
｢そうそう。なんで入んないの？｣
LINEでは聞かなかった疑問を素直にぶつけてみる。
聞こえたはずのその言葉に阿部は一瞬顔を歪ませた様に見えたが、普通の顔をして答える。
｢バイトに集中したくてさ｣
｢バイト？｣
そんな理由だとは思わず俺の頭にはハテナが浮かぶ。
でも阿部がその話題を避けたそうにしているのを雰囲気で察し、俺も深くは聞かなかった。
｢そっか……あ、じゃあ俺行くわ！｣
｢うん、また明日｣
阿部が少しホッとしたのも見逃さなかったが、俺は見ない振りをして慎太郎と共に樹の元へ急ぐ。
慎太郎はダンス部に誘うと興味があるようで一緒に行くと言い、樹とは今日見学に行く約束をしていた。
｢ねぇねぇ、先輩とか可愛い人いるかな？｣
樹と慎太郎は初めて会ったにも関わらず、気が合うのか向かう間馬鹿なことを延々と話していた。
｢ここのダンス部は男女別だよ｣
俺がそう一蹴してやると、冷たいこと言わないでよ〜と慎太郎がくっついてくる。
｢うるせ、置いてくぞ｣
そう言って振り払うと、俺は活動場所に向けて歩を進めた。
聞くところによると、女子ダンス部は体育館。
男子ダンス部は多目的室らしい。
中から音楽が聞こえ、恐る恐るそこのドアを開ける。
｢あ！新入生だぁー！！｣
俺らのことを指差しながら、音楽に負けないぐらい大きな声で叫ぶ先輩。
集中しろと他の先輩が言い放ち、その人も俺らに目を向ける。
｢そこ座って見てていいよ｣
と優しく言う先輩のお言葉に甘え俺らは3人固まって端に座っていた。
初めは俺らを気にしてニコニコしてた先輩も、次第に集中しだしかっこよく踊る。
あの大きな声を出す先輩も、体は小さいのに目を惹かれる動きをするし、目の前に来た先輩は急にバク転をしだして3人しておぉ、と声を出す。
それが聞こえたのか俺らにニコッと笑いかけ、またすぐに音に乗り始める。
｢すっげぇな……｣
そう呟いたのは慎太郎で、付いてきただけのはずなのに1番目を輝かせて見ていた。
確かに合わせやアクロバットがすごいのは事実だった。
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桜井サラ(プロフ) - ゆのんさん» コメントありがとうございます！励みになります…更新頑張ります！！ (2020年5月12日 8時) (
レス) id: aa947d258f (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん - 凄く面白いです。更新楽しみにしています。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: fc4b9231a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜井サラ | 作成日時：2020年4月25日 8時
