十四夜目*陰*カカオ様の体験談 ページ14
じりじりと、夏の暑さが肌を射す。
お昼休み、小学5年生の兼元紗英は、友人と鬼ごっこをして遊んでいた。
今日はとても天気が良い。けれど、その代わり陽射しも強い。鳥も力尽きて落ちて来てしまうのではないかと疑う程の暑さだ。
紗英は手で日光を遮りながら、上を向いた。ギラギラと、太陽が紗英の身体を照り付ける。そしてふと、校舎の屋上にいる一つの人影が目に入った。
セーラー服に、肩までの短い髪の、後ろを向いた女性。紗英は上を向いたまま、その陰に向かって首を傾げた。
屋上は立ち入り禁止なのに...。
そう思いながらもその女性を見上げる。すると女性は足に力を入れ、後ろに傾き出した。
落ちる!!
紗英は驚きと恐怖で目を閉じた。焦りなどの色々な感情が心の中で混ざり込み、口から心臓が出そうになった。
音が、しない。
兼元「...?」
紗英はゆっくりと目を開けた。けれど、その視線の先に先程の女性はいない。
兼元「はっ...」
周りでは友人が走り回る音だけが共鳴する。
.
後日、紗英はあることに気付いた。
この間屋上から飛び降りていた女性。その人は頭が後ろに向いていたので、てっきり後ろを向いて立っていると思っていた。
しかし、良く思い出してみたところだ。あの女性は後ろを向いていた訳では無く、頭だけが後ろに向いていたのだ。つまり、首が180°回転し、捻れているということになる。
あれは、生きている者ではないかもしれない。
今となって、正体が分かるものではないが、確かに、紗英の記憶には飛び降りた女性の姿があった。
十五夜目**夢夢無無無様の体験談→←十三夜目*杞憂*作者の体験談
46人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おかき(プロフ) - ありがとうございます、楽しみに待っております! (1月31日 20時) (レス) id: a1b6676078 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬凛利(プロフ) - おかきさん» コメントありがとうございます!正直もう見てる人いないと思っていたので嬉しい……ぜひ書かせていただきますね!ありがとうございました! (1月31日 18時) (レス) id: c6784028ea (このIDを非表示/違反報告)
おかき(プロフ) - 作者様の求めている話ではなかったかもしれませんが人怖でした。 (1月30日 18時) (レス) id: a1b6676078 (このIDを非表示/違反報告)
おかき(プロフ) - 今度は私と母しかいなかったのでめっちゃ怖かったです、また向かいのおじさんが連れて行ってくれました。おじいさんは○すぞやお前ら俺の人生奪って楽しいかとか言ってました。この話は未だに怖いです。 (1月30日 18時) (レス) id: a1b6676078 (このIDを非表示/違反報告)
おかき(プロフ) - けど、おじいさんはボケてるのかここは俺の家や!ってずっと言ってました。結局向かいのおじさんがおじいさんを連れて行ってくれました、分かってくれたかなっと思いましたがその人はまた来ました (1月30日 18時) (レス) id: a1b6676078 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:綾瀬凛利 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/967fcd0b72/
作成日時:2020年8月27日 22時