No.7 二人の関係性 ページ7
ASide
突然目を合わせてくれなくなった相澤先生。俺はそれを見ながら引っ張った反動で少し崩れた服を整えながら考える。
えぇ、なんで急に冷たくなったんだろ。もしかして跡とか苦手だったのかな?いやでも体育祭前ぐらいに初めて見せた時は何も無かったよな...情緒不安定?さっき何か呟いてたし...まぁそういうことにしとくか。
A『おしっ、相澤先生帰りましょう!』
服を整えガッと相澤先生の手を取る。すると相澤先生は大きく目を開いた後間の抜けた声で俺に問う。
相澤「お前、なんで目青くなってるんだ...?」
A『え?』
するとその言葉と同時に視界が歪みだした。俺は掴んだ相澤先生の手を離さずに考えた。
見たことのない歪んだ景色。身体が宙に浮く様な感覚。青い瞳。
...あぁ。これは、
A『"個性の暴走"ですね』
笑顔でそう言い相澤先生と同時に地面に着地する。この感覚は何回もなってるから覚えている。個性のコントロールが難しいから大体半年に一回くらいはこれなってるしね。
相澤「え、いや、じゃあ此処何処だよ」
A『んー多分景色的に未来じゃないですか?いやぁそれにしても相澤先生不幸ですね。俺が地面に足着く前に手離したら此処来なくてすんだのに』
相澤「お前が腕掴んだんだろ。てかもう俺がお前の個性消せば良くないか?」
A『今の俺には個性使えませんよ。多分1時間後くらいには現代まで戻れますし。小さい頃よりは維持出来てるのでそれぐらいまで短く出来ます』
相澤「1時間後...」
下を向き明らかに落ち込む相澤先生を見てポリポリと頬を掻く。
...このままじゃ可哀相だし、教えてあげよう。
A『今すぐ帰れる方法、ありますよ』
そう呟くと目を輝かせバッと俺の方を向く相澤先生。本当は1時間待った方が身体に負荷掛からないから良いけど...まぁ巻き込んだの俺だしな。
A『この時代の俺を探し出して、元の時代まで送ってって貰うんです。今まで行った回数と年から考えて、此処は4年後の12月25日。クリスマスですね。俺は丁度20歳で、今いる場所の半径5キロメートル以内にはいますよ』
相澤「...要するに今(未来)の闇雲を見つけだせば良いんだな?」
A『そういうことです』
ぐっと親指を立てるとバッと立ち上がる相澤先生。するとギュッと胸の前で俺の両手を握り叫んだ。
相澤「探しに行くぞ!そして帰る!」
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作者名:綾瀬凛利 x他1人 | 作成日時:2020年4月16日 20時