転生したら神様になった件【gnsn】 (ページ5)

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「グゥオパァー！！」

グゥオパァと呼ばれたタヌキらしき魔物は私を離して一目散に彼女の方へ駆け寄った。彼女は漸く見つけたタヌキを抱きしめ嬉しそうにしているのが目に見える。

「アナタがグゥオパァを見つけてくれたのね！本当にありがとう…！！アタシは香菱！」

『お礼を言われるほどでは… 』

「あ〜〜っ！！いけない！！こんな所に居たら花の影響を受けちゃう！急いで望舒旅館に向かおう！！！」

『え、いや私一人で行け… 』

「望舒旅館でお礼をさせて！さ、さ早く！！」

私の制止も効かず、香菱は私の腕を引っ張れば石門付近から早いスピードで駆け抜けた。私の体力が持つ筈無く、途中で息を切らして待ってというと彼女は再度謝罪をしてゆっくりと歩幅を合わせて歩いてくれた。

望舒旅館という場所に着く前に一つの黒夢病の原因とされる花を遠くに見つけた。香菱が言うにはあれは成長段階が早く、滅多に見ないほど大きいとされる部類である事が判明した。普通のサイズは基本的な花と変わりなく、しかし纏うオーラは尋常でなく、今にでも誰かを呪ってしまいそうな雰囲気を漂わせているそうだ。

「あ、そうだ。アナタの名前は？」

『 A。気軽に呼んで』

「 Aはどうして石門に居たの？」

『璃月港にどうしても行く用事があって…だから歩いてた。』

「ならアタシが璃月港に連れて行ってあげるよ！道中危ないし、それくらいの恩はさせて！」

『いいの？』

「うん！あ、でも流石に遠いから望舒旅館ってとこ寄ってくけど… 」

『わかった。』

香菱は嬉しそうに此方を見て言うと、前にはいつの間にか大きな建物が目に映った。あれが望舒旅館だよ！と健気に言う香菱がつい可愛らしく、一瞬の笑みを零せばまた前へ前へと進んで行った。

香菱は璃月でも名を馳せるような有名な料理人である事を彼女の口から聞いた。人の気配がしない望舒旅館に入ればすぐさま厨房へ行き、手持ちの食材で料理をもてなしてくれた。自身の力で植物の生命を誕生させ、林檎や葡萄などと言った果物を成長させたりとしていたが、ここの世界に来てから料理を食べるのは初めてだった。

『香菱の作る料理は美味しいね。』

「へへ、料理にはアタシ自信があるんだ！」

『ご馳走様でした。』

「お粗末様でした〜！！！！」

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