私達は双子で私は苦労人。【すとぷり】

男ならシャキッとしろよ。 ページ6

貴方side

チクタク

チクタク

時計の秒針がリズムよく音を鳴らす。
現在午後5時25分。
さとみさんが計画を実行するまで残り5分。
遊園地の出入口には帰る人で溢れかえっている。
正直、この人達に見られながら告白する勇気は私には無い。

「二人共、遅いですね」

「迷ってるとか？」

「ころちゃんじゃないからそれは無いでしょ」

「え！？」

先ほど合流したころんさんとるぅとさん、そして、一緒に回っていた莉犬さんが心配そうに眉を寄せる。
そう言えば、ころんさんは雫に告白しなくていいのかな。
まっ、私が言っても余計なお世話か。

『迷ってるって線、ありそうですね』

「確かにwwww」

「あの二人ならありそうやwwww」

ぼーっとしながら会話をしていると

「えっ、イケメンだ」

「背、高い」

「かっこいい〜」

「隣の子、可愛くない？」

「顔ちっちゃい〜」

「足細くない？」

「目、くりっくりだ」

「彼女かな」

とかの声が聞こえてきた。
まさか。
みんなが注目しているところに目を向ける。

『うっわぁ……』

つい、声を漏らす。
だって、目線の先にはさとみさんと雫がいたんもだの。
予想的中しすぎておかしくなりそ。

「ねぇ、雫ちゃん」

「何ですか？」

互いに互い、見つめ合う。
こらこら、そんな事しないの。
ほら、私の隣にいる青色の髪の毛の人が物凄い殺気を出してるからさ。

「俺、お前のことが好きだ」

赤面しつつも雫の目をしっかりと捉えているさとみさん。

「え……」

それに対してポカーンとしている雫。

「やば」

「あれ、引っ付いたらお似合いじゃね？」

「美男美女カップル！？」

騒ぎ出す周り。

「ちょっ、ちょっと！」

「待って待って！」

告白を聞いて慌てふためく人達。
そして…

「ぼっ、僕も！雫が好きなんだ！」

「俺もや！俺が一番好きや！！」

『うっそ…』

驚きを隠せない私。

「え…」

「へ？」

「………」

みんながみんな、それぞれの反応をしている。
まさか、ここまでとは。
3人VS1人。
これ、振ったら来ますまいやつだぞ。
雫、お前はどうすんの？

「えっ、えっと…」

雫は戸惑う。
そりゃそうだ、私だっていきなりこんな状況に置かれたら戸惑うに決まってる。
ま、そんなことないけど。
ふと、横を無理とある人が下を向いて小刻みに震えている。
嗚呼、そっか。
私はその人の背中を精一杯押す。

『男ならシャキッとしてくださいよ。




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莉犬さん』

茹でダコよりたこ焼き派ですが何か。→←朝ごはんは納豆と白米だけでも全然平気。

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