雨は悲しみの象徴とか、誰が決めたのさ。 ページ14
貴方side
ｻﾞｰｯ
大粒の雨がアスファルトに叩きつけられる。
『最悪…』
ぼそりと独り言を漏らす。
仕事が終わり、乗り遅れまいと駅まで走る。
そして、転げるように電車に乗り込む。
そこまでは別にそう、たいして天気は悪くなかった。
そう、そこまでは。
だか、電車が駅に到着して改札をくぐったとたん、雨がポツポツと降ってきた。
そして、トイレに行っている間に本降りに。
『なんでこう、運が悪いのかな…』
灰色に曇った空を見上げる。
光はない。
『傘持ってないし、とりあえず誰かに連絡するか』
カバンからスマホを取り出し、ロックを解除する。
横にスライドをし、電話帳を指でタップしようとする。
が、
「A！」
誰かの声によってそれは、阻止される。
スマホから目を離し、前を向く。
目の前には、水玉模様の傘をさした雫がいた。
「傘忘れてったでしょ！
天気予報で夜ぐらいから雨降るって言ってたのにさ〜」
『ごめん、しっかり見てなかった』
「んーん、大丈夫だよ。
でも、今度からはしっかり折り畳み傘持っててね。
んじゃ、早速帰ろ〜」
雫は1度止めた足を再び動かそうとする。
『ねぇ、傘1本しかないの？』
「あ……」
バッチリとあった私の目から雫が徐々に徐々に目を逸らしていく。
「ごめん！！ホントごめん！！」
『別に、私が忘れてったんだから雫は悪くないよ。
まっ、雫が馬鹿だってことが分かったけどね』
「う〜」
『さっ、帰ろ』
雫がさしている傘に入り込もうと右足を一歩前へと出した。
「A？」
いきなり誰かに名前を呼ばれ、肩がビクッと跳ね上がった。
「傘持ってねーの？
てか、お前もここの駅使ってたんだ、知らなかった」
会いたくなかった。
「てか、その子って……」
見たくなかった。
「もしかして拓也！？」
嗚呼
「って…雫？」
会わせたく、なかったな。
そんな浅はかな願いは神には届かず、無能な私への天罰か何かか、二人は話を始める。
「久しぶり！元気にしてた？！」
「おう、元気にしてたぜ。お前は？」
「もう、毎日元気だよ！」
「それにしてもお前」
聞きたくない。
「何？」
耳を塞ごうにも両手が塞がっている。
するり
両手からスマホとカバンが抜け落ちる。
「可愛くなっ…」
ﾌﾟｰｯ ｶﾞﾀﾝｶﾞﾀﾝ ｶﾞﾀﾝｶﾞﾀﾝ
後ろで電車の音が聞こえる。
空いた両手で耳を塞ぐ。
嗚呼、うるさいよ。
誰かの寂しさや悲しさを表すように、少しひんやりとした風が吹く。
北風来い来い。
スーパーウルトラ超ダサい成人女性が一人。→←聞きたくないこと聞いたのなら、気晴らしに外にでも出てみよう。
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雨んぼ(プロフ) - 泣いちゃいました(笑)なんか、少し私と重なって、より一層泣きましたwwすっごく良かったです！これからも頑張ってください！ (2022年5月11日 22時) (
レス) @page48 id: 5fc4c4d6bd (このIDを非表示/違反報告)
葵音 - 泣いてしまいまいた。すご良くて、びっくりしてしまいました！ (2022年1月26日 17時) (レス) @page43 id: c9207ab068 (このIDを非表示/違反報告)
元気に生きていたい！ - はい！泣きましたァァ！！すごく良かったです！！！！！ (2021年8月21日 18時) (レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
アネモナ - 涙がでできました!私はマスク外したくないから外せって言われるの大嫌いですね (2020年5月24日 0時) (レス) id: 8d7833d063 (このIDを非表示/違反報告)
miko - なんか、本屋に売ってあるようなクオリティーでとても好きな作品です！凄く面白かったです！ (2020年5月12日 0時) (レス) id: 6feb6d5170 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あはぴー x他2人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=2bf929b5ed877904e3eb7e3aafbf136b...
作成日時：2019年4月4日 15時
