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286個目 緑間side ページ42

俺の突然のお願いにも真央さんは嫌な顔ひとつせず招き入れてくれ、高尾は荷物を渡して玄関先で別れることになった。

「Aはソファーに寝かせてあげてくれる?」
「分かりました」

おぶっていたAを一度ソファーに座らせるようにして下ろし、軽く横抱きにしてゆっくりとソファーに寝かせた。本当にぐっすりと眠っている。少し腫れた目元をそっと撫でてからダイニングの方へと移動した。

「紅茶は飲める?」
「ありがとうございます、大丈夫です」
「それで、お話って何かしら」

真央さんから切り出された話題にゆっくりと深呼吸をして、今回の自分達の喧嘩について全てを打ち明けた。
自分のしてしまったこと、Aに何を言ったのか、自分がどう思っていたのか、そして…どれだけAを泣かせてしまったのか。
自分有利にならないよう、事実だけを伝えた。

「本当に、申し訳ありませんでした。俺は何一つAに話していなかったくせに、欲しい言葉を貰えなかっただけでカッとなって……酷い事を言いました。謝って済むとは思いません、Aは許してはくれましたが……」
「そう、やっぱり喧嘩してたの」
「っ、え…」
「ふふっ、これでもあなた達より長く生きてるのよ?Aから聞いてなくても何となく分かるわ。だってAったら家だと緑間くんの話ばっかりなんだもの」

真央さんの言葉に思わず言葉に詰まる。

「そうね、Aが最近元気がないのも知ってたわ。たくさん泣いてたこともね…」
「…っ」
「けれど私から言わせてみれば大した喧嘩じゃないわ。そもそもあなた達なんてまだ10代の子供よ?むしろそんな重く考えていた事に驚きだわ」

少し大袈裟に肩を竦める真央さんに呆気に取られていると、俺の反応が面白かったのか小さく笑われてしまった。

「私から言えるとすればたくさん喧嘩しなさい。逃げてもいいし、泣いてもいい」
「…はい」
「けど最後には向き合って話し合いなさい。あなた達の人生なんだから」

ひとつひとつの言葉が身に染みる。真央さんの言葉に改めてAを大事にしようと心に決めた。

「にしてもAったらギャン泣きしたでしょ?」
「そう、ですね。子供みたいに泣いてました」
「昔からなのよ〜。良い子にしてるかと思ったら突然ギャン泣きして寝ちゃうの!変わってないわね、あの子」

真央さんからするとそんな姿を家族以外に見せたことは一度もないらしく、それだけ心を許しているらしい。真央さんもそれには驚いていた。

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設定タグ:黒子のバスケ , 緑間真太郎 , 秀徳   
作品ジャンル:アニメ
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肉巻きおにぎり(プロフ) - 夜遅くにコメント申し訳ありません、ずっと更新楽しみにしてたので、めちゃくちゃに嬉しかったです!どうかこれからも、体調に気をつけてゆっくり更新頑張ってください、本当に楽しみにしてます! (2023年2月7日 1時) (レス) id: 26e00175be (このIDを非表示/違反報告)
柚奈原(プロフ) - このお話凄く好きです!!どうか、更新してほしいです (2022年2月27日 6時) (レス) id: 8b030105a8 (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - 自分新規ですけど、このお話すごく好きです!2人が仲直りしてほしいので、更新して欲しいです… (2021年9月19日 15時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
限界突破済みヲタク(プロフ) - 超面白い、面白すぎる、、どうか、どうか更新をお願いします…! (2021年9月18日 11時) (レス) id: ec647ac5eb (このIDを非表示/違反報告)
畑ケケ(プロフ) - もう、更新の予定はありませんか? (2021年7月23日 11時) (レス) id: 94b0c6b701 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めんたいこ。 | 作成日時:2020年5月14日 21時

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