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何とかナッシュの手を口元から退け、酸素をこれでもかと吸う。鼻まで抑えやがって殺す気か?!
そんなことを考えながら息を乱していると私を抜きに口論が進んでいく。
ナ「そんなに大事なら逃げねぇように首輪でも付けてりゃいいだろ。こんな猛獣、すぐ逃げ出すぞ」
『は?猛獣って私のこと??ねぇ』
緑「そんなことをしなくてもAは逃げたりなどしないのだよ」
『あれ?猛獣ってとこ否定しないんだ?』
ナ「どう見ても逃げてるじゃねぇか。ちゃんと躾しねぇからこんな事になってんだろ?それにこいつは俺と楽しそうに遊んでたぜ?」
緑「お前が無理矢理連れていくからだ。Aが抵抗しない訳がないのだよ」
『私はペットか何かと思われてんの?』
高「wwww」
そろそろ人とすら思われなくなった口論に遠い目になる。高尾くんは先程までの焦りは一体どこへ?と思う程に腹を抱えて笑ってるし、黒子くんもただこれらのやり取りを眺めてるし。助けようとは思わないのかな?
けれどそんな空気も終わりを告げた。
ナッシュの携帯が鳴り響く。ナッシュが舌打ちをして携帯に出ると電話先からは何やら英語が聞こえ、ナッシュも面倒そうにやり取りをしている。
ナ「…チッ、残念だが楽しい時間は終わりだ。俺はお前らと違って忙しい身なんでな」
緑「さっさとアメリカにでも太平洋にでも帰れ」
ナ「テメェ…殺すぞ…」
緑間くんにしてはハチャメチャに口が悪い。どんだけナッシュのこと嫌いなんだ。
スルリとナッシュの手が体から離れたことに気付き、私は気まずさはあるものの緑間くん達の元へと駆け出そうとしたその時。
グッと腕を引かれ何事かと振り返ると目前にナッシュの顔。
そして、チュッと頬に当たる柔らかな感触。
『………え?』
高「うわっマジかよ!」
黒「うわぁ……」
緑「……ナッシュ…貴様…」
ナ「はっ!お前らのその顔が見れただけでも良しとしてやるよ。じゃあな」
そう言ってナッシュは丁度迎えにきた車へと乗り込んで行った。
私は呆然と立ち尽くしたまま後ろを振り向けない。今大喧嘩中で、あのナッシュと会ってて、あまつさえ頬にキスだ。緑間くんが怒らない訳がない。血の気が引いていく感覚がする。
今度こそ終わった…。
緑「A!」
『っ!』
名前を呼ばれ肩が小さく揺れる。
怖い、何を言われるのか想像もしたくない。ここに居たくない。みんなの顔を見たくない。……逃げたい。
そんな思いから涙が滲み、走り出そうとするもその前に強く腕を掴まれた。
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肉巻きおにぎり(プロフ) - 夜遅くにコメント申し訳ありません、ずっと更新楽しみにしてたので、めちゃくちゃに嬉しかったです!どうかこれからも、体調に気をつけてゆっくり更新頑張ってください、本当に楽しみにしてます! (2023年2月7日 1時) (レス) id: 26e00175be (このIDを非表示/違反報告)
柚奈原(プロフ) - このお話凄く好きです!!どうか、更新してほしいです (2022年2月27日 6時) (レス) id: 8b030105a8 (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - 自分新規ですけど、このお話すごく好きです!2人が仲直りしてほしいので、更新して欲しいです… (2021年9月19日 15時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
限界突破済みヲタク(プロフ) - 超面白い、面白すぎる、、どうか、どうか更新をお願いします…! (2021年9月18日 11時) (レス) id: ec647ac5eb (このIDを非表示/違反報告)
畑ケケ(プロフ) - もう、更新の予定はありませんか? (2021年7月23日 11時) (レス) id: 94b0c6b701 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めんたいこ。 | 作成日時:2020年5月14日 21時