276個目 緑間side ページ32
今まで高尾と口喧嘩や取っ組み合いの喧嘩をした事は何度かあった
それでもこの時の高尾の怒り具合は凄まじいものだった
それにも驚いたが1番は……
高尾がAの事を好きだったということ
まさかとは思ったが、高尾の表情を見て本気だと分かった
俺は酷く動揺した
心臓が大きく跳ね、何度も脈打つ…
それは焦り、不安からくるものなのか…
それすら俺には分からなかった
今の俺は分からない事だらけだ
Aに言われた"もったいない"という言葉
それを聞いた時は酷く頭に血がのぼった
「(なら俺に勉学での推薦がきてその話を蹴ったとして同じことを言うのか…?いや言わないのだよ…俺の好きなようにすればいいと…あいつならそう言う筈だから…)」
あの時の俺は、Aが俺を『俺』として見てくれていないように感じた
バスケというフレームを通じてでしか『緑間真太郎』という人物を見ていないと……
だがそんな考えも時間とともに罪悪感へと変わっていった
気付いた時にはAは俺を避けるようになっていた
視線すら交わることも…
だがそれは自業自得というやつで、それを俺が辛く感じるのも理不尽に感じるのもおかしな話だ
すぐに謝って、お互い向き合って、きちんと話し合えばよかったのに……俺の中にある無駄な意地、或いはプライドが邪魔をした
そして…またあいつを傷付けた……
やるべき仕事をしているあいつを醜い嫉妬で傷付け、悲しませた
俺は何がしたいのだよ……
緑「………どうしたらいいか……分からないのだよ…」
やっと口から出た言葉の弱々しさに自分でも驚いた
緑「少しずつ自分のした事、言った事の重大さに気付きはしていた………だが気づいた時には手遅れだったのだよ……」
もう何もかも手遅れだと…
嫌われても仕方のない事をした…
すると高尾は深い溜息をついた
高「まっっじで馬鹿なの?真ちゃん」
緑「なっ…」
呆れたようにジトリと俺を睨みつける高尾
高「まさかとは思うけどAちゃんに嫌われるのが怖くてーとか言わねぇよな」
図星を突かれぐっと黙り込む
高「お前Aちゃんの何を見てきたんだよ…んな事でAちゃんがお前のこと嫌いになるわけねぇだろ」
「…!」
高「Aちゃんと過ごした日の事よーく思い出せよ」
高尾に言われるがまま、俺はあいつと過ごした日のことを思い出した
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肉巻きおにぎり(プロフ) - 夜遅くにコメント申し訳ありません、ずっと更新楽しみにしてたので、めちゃくちゃに嬉しかったです!どうかこれからも、体調に気をつけてゆっくり更新頑張ってください、本当に楽しみにしてます! (2023年2月7日 1時) (レス) id: 26e00175be (このIDを非表示/違反報告)
柚奈原(プロフ) - このお話凄く好きです!!どうか、更新してほしいです (2022年2月27日 6時) (レス) id: 8b030105a8 (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - 自分新規ですけど、このお話すごく好きです!2人が仲直りしてほしいので、更新して欲しいです… (2021年9月19日 15時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
限界突破済みヲタク(プロフ) - 超面白い、面白すぎる、、どうか、どうか更新をお願いします…! (2021年9月18日 11時) (レス) id: ec647ac5eb (このIDを非表示/違反報告)
畑ケケ(プロフ) - もう、更新の予定はありませんか? (2021年7月23日 11時) (レス) id: 94b0c6b701 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めんたいこ。 | 作成日時:2020年5月14日 21時