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ページ29

「よしっ!」



元気よく和臣が言って、貴和の手からボールを引ったくった。


「オレがやる。」




「待てよ。」



貴和が、和臣の肩をつかんで止め、片手で屋根の上を指した。



「あの天窓がついた小屋根は、相当高い。

ここで投げて、あれを越して

その向こう側の木の間につっこむのは、無理だ。」



「できるさ。」



ガンとして言いはる和臣に、貴和は、きっぱりと首をふった。



「だめだ。同じ手は、二度と使えない。

絶対に失敗できないんだ。安全な線で行こう。」



和臣は、少し向きになった。




「たいした高さじゃねーよ。せいぜい6メートルくらいだ。

絶対できる。」





貴和もめずらしく譲らない。



「いや、8メートルはある。」




にらみ合ったふたりに、アーヤと和彦が、顔を見合わせる。




こんなところで......はあ、ガキだな。


和臣はともかく、貴和まで笑







「じゃ、あの小屋根の高さを測ろう。」




そう言い出したのは、和典。


言うと思った。






けど、アーヤがまた頭にはてなを浮かべている笑



うーん。たぶん今回は、

『屋根の高さなんて、どうやって測るの?』


だろーな。





「設計士でも呼んでくるのか?」



息をのんで聞いた和臣に、和典はつきつけるように言った。




「あの高さが6メートルなら、

おまえがここからボールを投げてもいいよ。だが、

もしそれ以上あったら、黒木の言うとおり別の方法にするんだ。

いいな。」




和臣が仕方なさそうにうなずくと、

和典は和彦にむかって聞いた。



「三角定規、持ってるか?」



和彦は、自分のリュックをおろして中をひっかきまわし、

透明のケースに入った定規を二枚出した。



「どっち?」



「二等辺のほう。」



そう言って和典は、それをもらった。




和臣が、はっとしたような顔でつぶやいた。


「あ、相似か......。」

*→←9☆カット、10☆時には犯罪者集団



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フェアリー - すみません。ページ7の11行目のとこ、「ためすぎだろ」じゃなくて「だめすぎだろ」じゃないですか?間違ってたらすみませんm(_ _)m (2021年12月25日 19時) (レス) @page7 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
- よかったです! (2020年1月5日 7時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
まーお。(プロフ) - 星さん» ありがとうございます!合ってます!即直してきました! (2020年1月5日 4時) (レス) id: dbfd11264f (このIDを非表示/違反報告)
- 私が間違ってたらすみません! (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)
- こんにちは!えーっと、誤字を見つけました。ページ25の若武君の「上杉は、…」で、『かかわっら』と書いてあるところがあります。『関わった』ではないでしょうか? (2020年1月4日 19時) (レス) id: d5e1d3b75f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まーお。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/9649c0265d1/  
作成日時:2018年5月15日 15時

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