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夢も見ないくらい深い眠りについていたらしいあたしは、次に目を覚ますといつもより起きる時間は早いのによく寝れた気がして少しだけ気分が良かった。
たまにはユンギの仕事の手伝いでもしようかと、着替えてから店舗へ続く扉を開ければそこには昨日、クラブでは見なかった顔。
NJ「A!今起きたの?」
『うん、おはよ。』
NJ「昨日ホソクたち行ったらしいね。」
『来たよ〜。クソ忙しい金曜日を更に忙しくしてくれた。ナムジュンも来れば良かったのに。』
NJ「苦手なんだよ、クラブ。あいつらみたいにあんなしょっちゅう行けない。」
そう言ってテキパキと仕事をこなすナムジュンの左手首にも、みんなと同じタトゥーが入っている。
YG「あれ、おまえもう起きたの?」
部屋の隅に引かれたカーテンの奥から出て来たユンギは黒いマスクに黒いゴム手袋。
これは唯一彼がやる気を出している時の格好。
『うん。なんか目覚めちゃって。何か手伝うことある?』
YG「ふーん。…そこのガーゼとラップ取って。」
言われた通りに手渡したガーゼとラップは、カーテンの奥の台で横たわる人の背中に貼られていく。
「ユンギさん、まじ痛いっす。」
YG「あたりめーだろ。針刺してんだから。まだ出血してるから家着いたらちゃんと洗い流して清潔にしとけよ。」
お金を払ってお店を出るまで、ひたすら痛い痛いと嘆いていたそのお客さんを見送ると、間髪入れずに椅子に座って煙草に火を付けるユンギはどうやらやる気スイッチが切れたらしい。
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作者名:nonta | 作成日時:2018年3月20日 9時