この銃を握るのは貴方のため (ページ1)

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パァン！

大きな銃声と共に人が倒れる音

「やっと眠れる」

そう言ってベットに倒れ込む敬

「敬さんお疲れ様」

ベットに腰掛け敬の頭を優しく撫でた

「本当に疲れた」

「約6年間お疲れ様、敬さんはすごいよ」

「最後に釜飯弁当がどうとかこうとか言われてほんとに最悪、もう宮原さんの共には付かないだろうな」

敬は起き上がりAを抱き寄せた

「ずっと寂しい思いさせてごめんな、これからはちゃんと家に帰ってくることができるしご飯も一緒に食べれるから」

「うん、温かいご飯用意するね」

「今日は疲れただろうから敬さんは休んでね」

「ありがと、ゆっくり休むよ」

約6年間尊敬する宮原の元で仕事をしていた敬は頻繁に家に帰ることが出来ず泊まり込みが多かった敬を気遣ってAはゆっくり休むようにとすぐに寝かせた

「仕事が無事に終わって良かった」

敬とAが初めて出会ったのは8年前のある定食屋での出会いだった

当時20歳のAがアルバイトで働いていた定食屋に敬が来たのが始まりだった

22歳の敬は殺し屋協会の仕事を始めたばかりの新人だった、職場が近かった敬はよく仕事終わりに定食屋に顔を出していた

「あ、夏目さん今日もお疲れ様です！」

ガラガラと扉を開け店の中に入ってきたのは仕事を終えた敬の姿だった

「こんばんは」

「こんばんは、今日は何にしますか？」

この頃Aはよくお店に来てくれる敬に思いを寄せていた

「いつもよりお疲れみたいですね」

そう言って水とおしぼりを敬が座っている机の上に置いた

「ちょっとね厄介な仕事が入ってきて新人なのにそれを今日任されちゃって」

おしぼりで手を拭く敬を心配そうに見つめるA

「大変ですね、だったら体に優しいご飯がいいですね」

「横山さん考えてくれない？」

オーダーをとるペンの動きが止まる

「え、私が決めていいんですか？」

「うん、横山さんのおすすめで」

「分かりました！ちょっと待っててください、失礼します」

厨房へ走って行く後ろ姿を見て敬は頬が緩んでいた

少し時間がたち定食を持ってきたA

「体に優しい！でもスタミナもあるご飯です！」

「うぉ！美味しそう！」

「これ横山さんが作ったの？」

「はい、最近厨房も任せて貰えるようになって作ってみました」

口に合うといいけどそう言って緊張の面持ちで敬の様子を伺う