ゼラニウム second tk×in (ページ34)

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今とんでもない選択を強いられている

小さい声だったけど、確かに伊野尾くんは一緒に寝よ、と言った

これはどうしたらいいのか

「だめ？」

いくらか水分の含んだまん丸な目をこちらに向け、俺が同じ布団にはいってくることを期待している伊野尾くん

そんな顔をしたら断れないこと、君はわかっているはず

高「体調悪いんだからちゃんと寝てね？」

...恥ずかしながら、これは俺自身にいい聞かせたようなものでもある

伊野尾くんはというと、少し頬を赤らめてこくこくと頷く

恐る恐る伊野尾くんのベッドに潜り込むと、すでに伊野尾くんの体温で暖められたシーツが心地よい

シングルベッドに男が二人、ぴったりくっつく肩がベットの幅に余裕がないことを示している

「ねぇ」

触れあう体だけで俺はドキドキで、理性を保つのに必死だ

そんな葛藤もお構いなしの伊野尾くんは、またうるうるした目でこっちをみてくる

高「どうしたの？」

狭いベッドの中で体を横に向けると何か言いたげの伊野尾くん

「.....ぅ....して？」

高「ごめん、もう一回言って？」

いやいやと首をふるけど、どうしても伝えたかったようで、もう一度言葉を紡いだ

「キス... して？」

今度ははっきりと聞こえた

驚きのあまり目を見開いて見つめるだけの俺をみて、やっぱりいい、とふてくされた伊野尾くんのぽってりした唇に重ね合わせる

「...んっ」

色っぽすぎるよ、伊野尾くん

触れた唇はとても柔らかった

角度を変え、何度も何度もその唇にくちづけた

本当はもっと触れていたかったけど、これ以上はお預け

そういう行為にトラウマがある伊野尾くんを乱雑に扱うことなんてしたくないし、なんせ今日は体調が優れていない

頭をなでるとだんだんと目がとろんとしていく伊野尾くん

「ずっとそばにいてね」

高「もちろんだよ」

満足そうに微笑んだ伊野尾くんは目を閉じた

高「おやすみ、伊野尾くん」

もう一度伊野尾くんにキスをすると、寝息をたてて夢の中にいるはずの君が笑ったきがした