ゼラニウム second tk×in (ページ24)

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授業中、光くんは帰ってこなかった

ぽっかり空いた席の後ろ、伊野尾くんはうつむいたり、外を眺めたりして落ち着きがなさそうな様子だった

あー、授業中じゃなかったら抱き締めたいんだけどなー

そんなこと考えていたら、チャイムがなって先生は教室を出ていった

有「ねぇ、光くん戻ってきたよ」

俺の席に来て、バシバシと俺を叩きながらも目線は廊下に向けているのは有岡くん

いてぇよ

ほんとだ、光くんと薮先生が廊下で話している

バン！と薮先生に背中を叩かれた光くんは、恐る恐る伊野尾くんのほうへむかっていく

伊野尾くんは席に座ったままで、光くんに気づいていない

俺と目があった薮先生は片方の口角をあげて、俺にグーサインをして帰っていった

ほんと自由だよなあの先生

山田先生とはまるで違うよな

光「いのちゃん、ごめん」

「ひかるっ！」

二人の会話が聞こえてくる

伊野尾くんは座ったまま光くんを見上げている

八「さっき、ひどい態度とってごめんね」

「おこってないの？」

八「うん、いのちゃんはなにも悪くないの」

「おれのこと嫌いじゃない？」

八「もちろん、きらいじゃないよ」

「ひかるっ！」

有「二人仲直りできたみたいだね、俺らもいこうよ」

ほんわかとした雰囲気が二人を包みだしたところで、俺らも駆けつける

「たかぎ」

　

ここ一時間ぐらいずっと悩みっぱなしだった伊野尾くんは安心したのか、座ったまま俺の腰辺りに抱きついてきた

　

頭を撫でると嬉しそうに目を細めるから、かわいくてしょうがない

八「ごめんね、雄也も大ちゃんも」

有「へーき！」

八「それに、いのちゃんと雄也、付き合ってるんだってね

　おめでとう学食おごってやるよ」

有「え！なにそれ聞いてない！」

「ありがとう、光だいすき」

八「えへ、おれもいのちゃん大好きだよ」

　

高「光くん、俺の伊野尾くんとらないで」

そうして3人で盛り上がってるのに、なんで俺にはいってくれなかったの、と横から有岡くんの圧がすごい

有岡くんにはジュースでもおごって機嫌直してもらおうっと