執着、後輩、knmc ページ4
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目の前には今にも私に掴み掛からんとする同級生。
そして頭の中は真夏の空よりも澄み通ってるはずなのに何故か動けない私。
なお場所は別棟の空き教室なので誰かが来ることも多分ないだろう。
あ、拳構えて振り被った。
うわぁ、これ当たるんじゃない?
思考だけはクリアなのに体は全く動かないし、それどころか唐突過ぎたのか、もはや動こうという考えに至っていない気もする。
そりゃあ、急に空き教室に呼び出されて、顔と名前がギリ一致するくらいでほぼ面識なんてない同級生に殴り掛かられたらこうもなるでしょ。
「剣持くんに近付かないでよっ!アンタばっか先輩面して!」
ケンモチ?けんもち?剣持?
あぁ、委員会で一緒になったあのクソ生意気な後輩のことか?
礼儀もしっかりしてるし、頭も良いけど、言動の端々がいちいち神経を逆撫でしてくるヤツ。
あ、もしかしてコレ剣持のせい?
これで私の顔に痕が残ったりしたらあの後輩とはもう喋んないわ。
「アンタなんかより私の方が可愛いのに!」
そんなことを考えていると、いつの間にか思っていたより近いところに女子生徒の拳が。
別に自分が可愛いとは思っちゃいないが片想い拗らせて他人殴る奴の方がやばいぞ。
無駄な思考はそのまま、衝撃に備えてぎゅっと目を瞑る。
その時、後ろのドアが開く音がした。
「ッA先輩!」
恐る恐る目を開くと握った手を私の顔スレスレで止めて真っ青な顔をした同級生とドア枠に手をついて肩で息をする剣持の姿が目に入った。
あれ、もしかして私生きてる?
「…どういうことですか、これ。」
漫画だったら顔の横にギロッという文字が付けられるんだろうな、と反射的に思うほどに綺麗に女子生徒を睨んだ剣持が私の肩を自分の方にぐっと引き寄せた。
わぁお、女の子可哀想なほどに真っ青じゃん。
「あ、いや、こ、これは…べ、別になんでも…。」
「御託はいいから今すぐここから立ち去れッ!」
キッと目を見開いた剣持にひぃっと悲鳴をあげた女の子が逃げるように立ち去る。
あーあ、行っちゃった。
なんて思っていると隣から大きな溜め息が聞こえた。
「はぁ、全く分かってるんですか?僕がいなければどうなっていたのか…。考えるだけでも恐ろしいです。」
「こんなこと言うのアレだけどお前のせいだよ、剣持後輩。」
「え?」
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ソルト(新アカVer)(プロフ) - わらび@修行中さん» ありがとうございます! (1月7日 20時) (レス) id: 8a1efc3bda (このIDを非表示/違反報告)
わらび@修行中(プロフ) - ソルト(新アカVer)さん» コメント、リクエストありがとうございます!初書きになるので少しお時間頂くかもしれませんが、精一杯書かせて頂きます〜! (1月7日 19時) (レス) id: fb962cb273 (このIDを非表示/違反報告)
ソルト(新アカVer)(プロフ) - コメント失礼します 好きです Olv 崇拝 同業者(できればライバーで 無理なら 教職系) をリクエストすることは可能でしょうか?負担になるようでしたら、削除していただいて構いません (1月7日 17時) (レス) id: 8a1efc3bda (このIDを非表示/違反報告)
わらび@修行中(プロフ) - いえいえ大丈夫ですよ!占ツクはIDを見れば分かりますからね〜!お気になさらず!w (2023年4月3日 22時) (レス) id: fb962cb273 (このIDを非表示/違反報告)
えある。 - わらび@修行中さん» あwすみません名前違った... (2023年4月3日 22時) (レス) @page4 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらび | 作成日時:2022年9月13日 18時