私の安全地帯は爆豪の後ろ。2【爆豪勝己】 (ページ26)

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それから数日経ち、警戒はしていたのだが。

特に何も起きず。

ただの脅しなのかと思っていたが…

「そうだよ。俺がヴィラン連合のボス」

本当だったみたいだ。

『……私は、』

「何？」

『……殺されるの？』

恐る恐るそう聞いてみる。

…が。

「手は出さないって言っただろ？」

『……じゃあ、何しに、』

手は、出さない。

つまり、殺さないって事…？

「単刀直入に言うと、スカウトさ」

『………スカ、ウト…、』

死柄木弔は背中を曲げたままベットに座る私と目線を合わせるように、前にしゃがむ。

「そう。君の個性って治癒なんだろ？」

『……そう、だけど、』

私の個性はきっと、サキが教えたのだろう。これだけいれば私の個性くらい知られてるに決まってる。

「その個性、自分だけの個性だと思ってるんだろう？」

『……、』

「知ってるかい？個性には色んな使い道があるんだ。今君は自分の個性をよく知らない状態だ。きっと練習すれば自分だけの物じゃなくなるはず」

『……使い、方…』

確かに、言われてみればそうかもしれない。

みんなもそんなような事を言っていた。

だから今、頑張っているんだと。

別に私は個性というものにそこまで興味なかったし、他の使い方なんて考えた事もなかった。

「例えば、自分以外の人を治せたりとかね」

自分、以外…を。

治せる…？

「はは、誰も教えてくれなかったんだろう？」

『……、』

「治癒系は珍しい。…さあ、ヴィラン連合……俺の元へ来ないか？練習ならいくらでもさせてやる。仲間の治癒をしてもらうだけでいい。もちろん君は危ない目には遭わせない。どうだ？」

…彼の。

死柄木弔の表情なんて、分からない。だけど、声色で笑っているのは分かる。

私が、ヴィラン連合に…？

つまり、悪い人って事だよね…？

……別にそこはどうでもいい。

私が何者になろうが。

生きられればそれでいい。

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