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「あ、もうこんな時間…!?ご、ごめんね!?引き止めてこんなに長々喋っちゃって!」
時計を見て気付いたのか、緑谷くんはハッとした顔をすると手を合わせて謝る。
『ううん、全然!緑谷くんと話すの、楽しいし。話せて良かった…!』
これは、本音。
久しぶりだったからか、楽しかった。
時間も忘れて話し込んじゃうくらいに。
「たっだいまー!緑谷ー!」
「ただいまぁ!」
急に開いたドア。
そして、パタパタといくつもの足音に。
『っ!?』
私は椅子から急いで立ち上がる。
「Aさん!?」
そんな私に驚いた様に私を呼ぶ緑谷くん。
みんなが帰ってくる時間までは把握していなかったから、やっぱりこんな所にいるべきじゃなかった…!
は、早く…
自分の部屋に戻らないと…っ、
「ってあれ、Aちゃん!」
「あ!本当だ!」
「見ない間に痩せた!?ちゃんと食べてる!?」
「Aちゃん!」
…遅かった。
中へ入って来たみんなは、荷物を置く前に。
私の存在に気付き。
逃げようと足を踏み出した時にはもう。
…囲まれていた。
…さすがヒーロー科。
動きが早すぎる。
『え、えっと、わ、私っ…』
ここから抜け出したくても。
みんなが壁になっていて。
抜け出せない。
ど、どうしようっ…
早く、しないと、
サキが、帰って来ちゃう…
見られちゃう…
「Aさん?平気?顔色が…、」
緑谷くんが心配そうに、そう声をかけてくれた時だった。
「待ってってば、爆豪くん!」
「っるせぇな!着いてくんじゃねえ!しつけぇ奴だな!!」
…またもや、遅かった。
『っ……』
「え!?ええ!?Aさん!?どどっ、どうして僕の後ろに!?」
無意識だった。
二人の声が聞こえた瞬間、咄嗟に。
緑谷くんの背中へ、隠れた。
爆豪とは違う、背中の大きさ。匂い。温度。安心感。爆豪とは全く違う。
「どしたん、Aちゃん!」
「心配してたんだぜー?」
麗日さんや上鳴くん。
それだけじゃない。その他のみんなも。
緑谷くんの後ろへ隠れる私へ心配そうに声をかける。
嬉しい。
嬉しいよ。それだけで。
だけど今は。ごめんね。
『みっ…緑谷くんっ……部屋に、帰りたい、』
「へっ、あ、うん!?送って行こうか!?」
『そ、そうして、くれると…助かるっ、』
久しぶりにみんなに会えたからか、
それとも囲まれたからか。
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まあり(プロフ) - しおきゃらめるぱふぇさん» ありがとうございます…! (2021年8月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
しおきゃらめるぱふぇ - フハハハハハこれはあかんわ、あかん心臓もたへん (2021年8月2日 22時) (レス) id: c7f2f9aa97 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - ここねさん» ありがとうございます! (2020年4月1日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
ここね(プロフ) - まありさん» そうなんですね!書くなら、楽しみにしています! (2020年4月1日 14時) (レス) id: 43fbbe1d59 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - ここねさん» お礼を言っても言い足りないです…!どうしようかなって思ってます! (2020年4月1日 6時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2020年3月26日 16時