私の安全地帯は爆豪の後ろ。2【爆豪勝己】 (ページ14)

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みんなとの距離。ページ14

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『よしっと、出来上がり』

私はいつも通りみんなが起きてくる時間に合わせて朝食を作り終える。

ただ、今までと違うのは。

「あ、おはよーAちゃん」

『あ、お、おはよう、芦戸さん』

「あれ今日も一緒食わねーの？」

『あ、か、上鳴くん…う、うん…先食べちゃったから…』

「そっかあ、」

「夜ご飯は？夜ご飯は一緒に食べよう！？」

『…え、あ…あー……た、ぶん』

先に食べたからなんて嘘。
夜ご飯も一緒になんか食べない思う。

だって…

「あ、おはよう！お茶子ちゃん！」

「おはよー！元気やね！」

「さすが親鳥！また懐かれてんのな！」

「ああ！？っるせーよ！！」

ここ数日。

サキが来てからというもの、私はロクに食べ物をお腹にいれていない。

…正しく言うと、喉を通らないのだ。

私はここの世界に来て、前の世界での出来事は終わったと、そう思っていたのに。

死んでもまだ、サキの顔を見るなんて…

お腹なんて空くはずがない。

それと、さっき見た通り。

みんなとは距離を置いている。

何でって？

「あ？おいてめえまた食わねーのかよ」

『えっ、あ…さっき、食べたから…、』

「あ？嘘つけや。ここ数日でお前ブサイクんなったぞ」

『ブッ…！そ、そんな事ないし』

「あるわ」

『変わらないし！』

「うるせーブス」

『なっ…！？だったら爆豪なんかっ………最近ますますかっこいいね！？良かったね！？』

「ああ？褒めんのかよ」

『だって爆豪ブサイクじゃないから………っ、ぁ、』

爆豪もみんなもきっと気付いてないんだ。

爆豪の隣から送られてくる、冷たい視線に。

もちろん、その犯人はサキ。

爆豪じゃなくても、他の人と話していてもそう。

睨まれたり、みんなの見ていない場所で思いっきりぶつかられたり。

サキからのあの視線はきっと。

みんなと関わるな、という事なんだと思う。

居場所を奪うって言っていたし…

ほ、ほら。

私って意外と物分かりいいからさ。

それにね。

知ってるんだよ、サキがここ数日のうちに私のある事ない事言いまわってるの。

前の世界にいる時は相当性格悪かったとか、男好きだったとか。

…人間嫌いな私がそんな性格なはずないのにね。

優しいみんなはそれを聞いても前と変わらず話しかけてくれる。

信じているのか信じていないのかは分からないけど…

結局私はどこにいても、変わらない。

どこまでも…

臆病な、奴なんだ…。

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