私の安全地帯は爆豪の後ろ。2【爆豪勝己】 (ページ2)

今日:21 hit、昨日:2 hit、合計:566,091 hit

ーページ2

ー

『そういえばね』

「……」

返事をしないのはいつもの事。

『この前麗日さんと二人で話せたんだ～』

その代わり。

「…そうかよ」

ちゃんと話を聞いてくれる。

私は床へ座る爆豪の背中に自分の背中を合わせるように座って爆豪に軽く体重をかける。

『そしたら今度一緒に出かけようって言ってくれたの！』

「……」

『嬉しいなあっ』

「……」

『この前はね青山くんに珍しいチーズを貰ったの』

「……」

『美味しかったんだよ！今度爆豪にもあげるように言っとくね！』

「……いらねぇ」

話を聞いてくれている爆豪に甘え、最近あった出来事を順番に話していく。

もちろん爆豪に背中に体重を乗せたまま。

私も爆豪もTシャツの為、爆豪の温度が伝わってくる。あったかいなこれ爆豪…人間カイロだ。

やっぱり火とか使う人って体温高かったりするのかな…？

『あ、あとねー飯田くんが、……って、うぇ！？』

話している途中、体重を乗せていた背中がいきなり消え私を支えるものがなくなったと思ったら天井が見えて変な声を出せば、次に見えたのは…爆豪の赤い瞳。

『へ……びっくりしたなあ！頭打つかと思った』

そのまま床へ頭を打ち付けるかと思ったらそんな事はなくて。何故か、胡座をかいている爆豪の足の上に乗っかった。

いわゆる……

膝枕。

「暇ならうるせーから寝ろ」

『……』

「…何だよ」

いつもの不機嫌そうな顔は私を見下ろす。

…が。

何でだろうか。

『爆豪って下から見てもイケてるね』

「…は？」

普通下から見たら、やばくなるでしょ？

私なんかきっと二重顎になって、もっと不細工に…

それなのに爆豪は…

……やっぱり普通にかっこいい。

整ってる人ってどっから見ても整ってるんだね。悲しくなるよ私…

『いいね、爆豪。かっこいーよ』

「…………うるせぇ、寝ろ。一生起きんな」

『わっ、ちょっ、急に何！』

羨ましいと、爆豪の顔をじっと観察していれば急に塞がれる視界。

爆豪の手が、私の目を覆ったのだ。

少しだけ高い体温にまた、口元が緩む。

「冬眠しとけ」

『隠したって無駄だもんね！！見えたもん！！私！！今！！この目でしっかり見ましたもん！！』

何って？

『爆豪の赤い顔！！』

「クソがぁぁあ！！！」

『目元での爆発だけはやめて！！！』

ー