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鋭く男を睨みつければ一瞬だけ「ヒッ」なんて声がしたが離す気配はない。


相手は一般人。倒す事は簡単だが、もし。もしもその刃がもっと深くAを傷つけてしまったら。


そう思うと動くに動けない。


これ以上Aを傷つけたく無い。




…俺は知ってる。


たまに、着物から覗く腕や足に残っている傷跡を見て悲しい顔をするAを。


もう、見たくはない。



A自身は気付いていないだろうが、

泣きそうな、そんな顔をするんだ。



「ほら、こいつ眉一つ顰めもしないぜ?痛みも感じないし感情もねぇんだよ!」



ふざけるな。


こんな奴に負けるんじゃない、A。



「こんなんだから捨てられるんだよ!」



言葉に耳を貸すな。



「誰にも、必要とされる事もなく、愛される事もなく死んでいくんだな!これがお前の運命なんだよ!」


「A、」



こっちを向け。



「A」



俺の声に反応しろ。



「A」



顔を、上げろ。


感情がないわけない。


痛みだって感じるに決まってる。


俺は、何度も見てきたし知ってる。




一番最初に会った時は恐怖に怯えていた。

殺意を剥き出しにして、俺を睨んだ。

だけど少し経てばまるで安心した子犬のように俺の腕の中で眠りについた。

胡蝶に手当てされるたび瞳を潤ませていた。庭で転んで擦りむいた時だって、まるで子供が泣くのを我慢するみたいに唇を噛んで耐えてた。


俺が声をかければ嬉しそうに応え、

撫でれば頬を緩ませ擦り寄ってくる。

近づけば頬を赤らめ、たまに耳まで赤くさせる。



そんな姿が…






堪らなく、愛おしく感じる。



「A!」



俺の声だけを、聞けばいい。



『……、』



ピクリと。


ほんの少しだけ、肩を揺らしたA。


やっと反応を見せたAに大きな声で言う。









「俺は…」









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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 炎柱   
作品ジャンル:アニメ
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まあり(プロフ) - まゆさん» 嬉しいですーっ!読んでくださりありがとうございます!最後までぜひよろしくお願いします! (2021年3月6日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこいい、、、最高!!!!更新楽しみにしてます!頑張って下さい!応援しています!(*^^*) (2021年3月5日 21時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 明日香さん» すみません!修正してきました!教えてくださりありがとうございます! (2021年3月3日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 33話の次が26話ですか? (2021年3月3日 18時) (レス) id: c2c1adce1e (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 凪子さん» わーっっ!!ぜひぜひ最後までよろしくお願いします!ありがとうございますー! (2021年3月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まあり | 作成日時:2021年2月23日 21時

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