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『…うぅ』
「何だよお前、」
『別になんでもないです。…はぁ』
「あからさまにため息ついてんじゃねぇかよォ」
甘味処にいる私の隣に座るのはこの前会った傷だらけの男の人。不死川さんというらしい。
『だって、だって…』
「あ?」
『………煉獄さんに置いて行かれたんですよ』
「んな事知るか」
そう。非番だという煉獄さんとついさっきまで街をぶらぶらしていたのだが。
甘味処に入る直前。
目の前に大きな壁が、デジャヴ…なんて思ったら宇髄さんで。
煉獄さんに肩を組むと、「ちょっと遊んでくるわぁ」なんて言ってすごいスピードで去って行ってしまった。
追いかけようとした所、「そっちは遊郭だァ。行くのはやめておけ」なんてガシッと肩を掴まれて誰かと思ったらこの人。不死川さんで。
煉獄さんと来るはずだった甘味処へ来た。
『あ、そういばこの前おはぎありがとうございました。美味しかったです』
「あァ、別に。少しは元気出たかよ」
『……』
「何笑ってんだよ」
『あ、いや…、』
だって、心配してくれていたんだと。そう思って。嬉しさと見た目に反してのギャップについ笑みが溢れるとギロリと私を睨む不死川さん。
普段の私なら怯えるか逃げ出すだろうが、不死川さんの優しさを知ったら少しも怖くなくて。構わずくすくすと笑う。
『あ、そうだ。不死川さん、』
私が名前を呼べばおはぎを口へ運びながらこちらを見る不死川さんに聞く。
『……遊郭、ってどんな所ですか?』
「……」
『あ、あの、名前は知っているんですけどいまいち何をする所なのかは分からなくて…、』
不死川さんは私の質問に持っていたおはぎを置いて顔色ひとつ変えずいつもの鋭い目つきで私を見る。
そして口を開くと「遊郭は…」と。
それは丁寧に、細かく、教えてくれた。
その説明が終わる頃には私はといえば容量オーバーで。不死川さんのストップがかかるまであんこをひたすら口に運んでいた。
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まあり(プロフ) - annkoさん» あああっ貴重な睡眠時間をっ…!?お礼を言っても伝え切れないです…!ありがとうございます!!お仕事、頑張ってください!! (2021年3月29日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - あれから睡眠よりも続きを!…と、全て読破させていただきました!午前中の仕事に若干支障が出ています(笑)。でもそれよりも、もうニヤニヤして最高の時間でした…煉獄さん本当にかっこよすぎです!更新楽しみにしています(^^)頑張ってください! (2021年3月29日 12時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - annkoさん» annkoさんはじめまして!あああっ…お暇がありましたらぜひぜひ読んでみてください!コメントありがとうございます…!嬉しいです!! (2021年3月29日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - こんばんは!はじめまして!素敵なお話をありがとうございます(^^) 煉獄さん…本当かっこよすぎて!お話の展開もとても好きです(^^)続きを全部一気に読みたいです!更新頑張ってください(^^) (2021年3月28日 23時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - まゆさん» わーーっ!!!嬉しいです!コメありがとうございます!とても励みになります〜! (2020年12月26日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2020年11月29日 19時