華 と 花 【成瀬大二郎】

４５．解散 ページ45

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弾が活動休止してからここに来てようやく安定してきた。
中での衝突もないと言ったら嘘になるけど、なると弾はあれ以降会話をしなくなり

必然的にトラブルも起こらなかった。




そんないつもの平和な寮。





息を切らして返って来た弾は





弾「なる」





鋭い目でなるを見た。何かを知っているのか、成瀬は素直に机を挟んだ前に立ち下を向く。




弾「なんで黙ってた……。」




その問いかけに黙秘を続けるなるに「なる！」と大きな声を上げると、肩を震わせたなるは弾を睨みつけた。




「ちょっ、」
宝「弾」




止めに入ろうとする宝とAを有起哉が止めて、二人の会話をメンバー全員が聞く中で弾は一向に口を開こうとしない成瀬に痺れを切らして「もういい」と立ち去ろうとした時



成瀬は思い切り弾の腕を掴んで、負けじと言い返した。



成瀬「……こんなの、渡せるわけないでしょ！」


弾「お前、聞いたのか」


成瀬「聞くわけないでしょ。でもあす花さんのメッセージなんて聞いたら弾がいなくなっちゃうかもしれないから。
……おれ、弾の事ずっと尊敬してた。
オーディションで会ったその日から。弾が一緒なら8LOOMは絶対売れる。弾の曲が、弾のことが大好きだから！」




でも、成瀬の叫びは虚しく



巧「あす花さん、多分ここにいる」



巧の情報を聞いた弾は廊下を飛び出そうとした。



成瀬「弾！ねぇ！本気で逢いに行くつもりなの？……弾！」



でも、



香坂「会うって誰とですか？そこまで会いたいなら止めないわよ」




いつもの堅苦しい表情ではなく、多少の怒りを香りうかべた香坂が阻むように立っていた。

でも怒りと言うよりは、あす花に対する多少の同情もきっと含まれていてその気持ちは「でもきっと彼女は喜ばない」という言葉にも現れていた。




香坂「止めはしないけど覚悟は出来てるの？貴方を思って去った彼女に今更、会って何を話すつもり？
仲町さんを傷つけて苦しめてもいいっていうこと？」




今の弾にはその言葉すら、刺さらなかった。





宝「なあ、俺ら今こそ腹割って話す必要あるんちゃう？」

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