18.ヤキモチ ページ18
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成瀬「弾ってさ、結構ヤキモチ焼きだよね」
弾「は?」
成瀬「そんな感じだとすぐ周りにバレちゃうよ、あす花さんとのこと」
弾もあす花さんも、あの会話を俺とAが聞いてたことをきっと知らない。
成瀬「この前Aと2人の話聞いてた」
そういうと
弾「いや、俺たちはただお互いに励まし合うだけで」
分かりやすく動揺する弾に呆れながら、かき消すくらいの声でそれを遮った。
成瀬「わかってる!!!……俺は応援したいって思ってる。でもほかの人は2人のそういう気持ちわってくれないかもしれないし
……だから、誰にも絶対にバレないようにもっと気をつけて。弾とあす花さんの大切な時間壊されたりしたくないでしょ。 」
弾「分かってる。Aはなんか言ってた?」
成瀬「……さぁ。ただでさえメンバーに弱音吐くのを嫌う子なんだから弾が聞いてみたら?」
もしもAと違う形で出会ってたら、俺はどうしてたんだろう。
今はただ、Aにこんなにも想われている弾が羨ましかった。
またリビングに戻って、あす花さんの手間を無くすためにAを起こした。
Aの座る椅子の背もたれに手を置きながら顔を覗く。
成瀬「A、起きて?」
「……っ」
モゾモゾしながら目を開いて遠くの時計を見つめるAに「もう21時半くらい。」って言うと
「今日はここで寝る」
って返しが帰ってきた。
確かに眠い時はベッドに行くのすら億劫になるから気持ちはわかるけど、こんな硬いところで寝たら痛めるし風邪をひくから絶対にダメ。
何とか顔を上げたAは、背もたれに手を置いた俺の腕に頭を乗せてまた目を閉じる。
いつもはしっかりしてるのに、こういうところが小動物みたいだ。
俺はAの両手を引っ張って無理やり立たせたあと、その身体を抱っこした。
「おんぶじゃないんだ」
耳元で聴こえるAの声。首には腕が巻かれてもはや抱きつかれている状態。俺からしたのに無自覚でこんな展開になってしまったことに今更ながらにびっくりした。
成瀬「おんぶだと寝かせるの大変でしょ?」
「あ〜……そっか。」
石鹸の香りが鼻を掠める。
弾を除いたほかのメンバーは既に寝ていて、周りを起こさないように俺はAを優しくベッドの上に置いた。
「ありがと」
成瀬「うん。おやすみ。」
「おやすみ」
Aの頭をまた撫でた。
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にむ(プロフ) - ぺんさん» ぺんさん🔆コメントありがとうございます💗完結までどうかよろしくお願いします👍🏻👍🏻 (2023年2月9日 1時) (レス) @page46 id: d177642b92 (このIDを非表示/違反報告)
ぺん(プロフ) - これからも楽しみにしています!🤍🤍 (2023年2月7日 18時) (レス) @page46 id: 9c62d8b35d (このIDを非表示/違反報告)
にむ(プロフ) - しのさん» そんな嬉しい言葉ありますか😭😭💖ありがとうございます💗💗💗💗 (2023年2月1日 16時) (レス) id: d177642b92 (このIDを非表示/違反報告)
にむ(プロフ) - ちなさん» ちなさん!コメントありがとうございます🔆そう言っていただけて嬉しいです😭 (2023年2月1日 16時) (レス) id: d177642b92 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - 心理描写、行動描写が丁寧で、グッと作品に引き込まれます。今1番好きな作品です。丁寧に作品を作ってくださってありがとうございます! (2023年1月31日 8時) (レス) id: 4fcf22d877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にむ | 作成日時:2023年1月3日 22時