真剣SUNSHINE 【 tk × in 】 (ページ4)

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伊野尾くんが明らかに不機嫌になっている。

こういう時、どうしたらいいんだろう。

俺と有岡くんの間には何もなくて。
電話だって、本当にめったにかかってきたりしない。

伊野尾くんに誤解されたくなくて、
それだけはどうしても伝えたかった。

けど、なんでだろ、
妙に意識してしまったからか、
すごく不自然な話し方になってしまった。

これじゃあ、逆効果じゃん。

さらに伊野尾くんが不機嫌になっていくのがわかった。

こういうの本当に慣れてない。

今まで付き合ってきた人ともこんなことあったけど、

誤解する方が悪いんだろ ‥

そう思って、今までは相手にしなかった。

けど、今は違う。

伊野尾くんには誤解されたくない。

俺のことで嫌な思いもして欲しくなかった。

後ろから抱き締めてみたけど、

伊野尾くんはこっちを振り返ろうともしてくれない。

髙「どうしたの。」

そんな、気の利かない言葉しか今は出てこなかった。

伊「別に。」

ああ、伊野尾くん、機嫌なおしてよ。

そんな思いで、後ろから抱きしめていた。

髙「好きだよ ‥ 大好きだよ ‥ 。」

伊野尾くんの肩に顔を埋め、気づいたら呟いていた。

離したくない。誰よりも何よりも大切な人。
もう君がいてくれれば、俺はそれだけでいい ‥ 。

ふと、伊野尾くんの肩が動いて、俺は体勢を崩した。

ずっと後ろ向きだった伊野尾くんが向きを変え、
俺を抱きしめる。

急な展開に思わずぽかんと間抜けな顔をしていたかもしれない、

そんな俺に、整った綺麗な顔が近付いてくる。

唇が重なれば、俺は目を閉じた。

唇から、

伊野尾くんの怒りと悲しみと

その奥にある深い愛情が伝わってくる。

長い長いキスをした。

お互いの愛を確かめ合うように。

離れたくなかった。

離したくなかった。

この温もりをずっとずっと感じていたかった。

こんなキス、初めてだ。