真剣SUNSHINE 【 tk × in 】 (ページ20)

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いつもラジオの収録の時は現地集合なので、

髙木と2人での移動は珍しかった。

車に乗り込むと、少し緊張する。

髙「くっそ、また負けたあ！」

有「また携帯で大富豪やってんの？(笑)」

携帯片手に真剣な顔をしている時は、本当にかっこいいのに、

こうやって子供の様に悔しがるとこが可愛くてたまらない。

俺の斜め前に座る髙木は、…少し遠くて。

手を伸ばしてもわずかに届かない。

それは、10年以上縮まることのない、俺たちの距離のようだった。

この気持ちを伝えても、髙木が困るのはわかっていた。

それでも気づいて欲しくて、

俺、結構髙木のこと

他のメンバーより贔屓してると思うんだけどな…。

「よろしくお願いしまーす。」

本日2つ目の現場に着いた。

慣れた場所のはずなのに、

髙木と一緒に入るのはなんだかちょっとくすぐったい。

今日はラジオドラマか。

このコーナーは本当にドキドキする。

しかも、髙木先輩とありこの淡い恋愛シリーズ…

「本番ー！」

和やかな雰囲気のまま、オープニングが終わり
コーナーが始まった。

髙「ありこ…。」

有「髙木せんぱい、…」

髙「キス …しよっか。」

…

有「2人はめでたく結ばれましたとさ！」

最後の方はグダグダになり、お互い顔を真っ赤にしていた。

髙「これマジ恥ずいから～！」

有「いやもう、聞いてる方たちはきゅんきゅんしてくれたんじゃないですか。」

キスとかさあ、…もう。

必要以上に動揺しているのを悟られたくなくて、

必死で冷静を装った。

顔が赤いのはおさまんないけど…。

番組が終わっても、そのドキドキは続いていて。

でも、髙木はというと、

すでにいつも通り、スタッフさんたちと談笑していた。

ドキドキしてんのは俺だけかよ…。

有「あれ、髙木今日は珍しく残ってるじゃん。」

いつもは終わったのと同時に帰るのに、

今日は珍しく帰る気配がなかった。

髙木はちらっと携帯を見て、

髙「あ、うん。今日はこのあと特に…予定もないからさ。」

って言うけど、誰かを待ってるみたいだよ。

でも、何もないなら…

有「じゃあこの後ご飯でも行かない？ほら、食べ物の話で盛り上がったじゃん？お腹空いちゃって…。」

思い切って誘ってみた。

自然な感じで誘えてたかな。

返事までの時間が長く感じる…。

髙「お、いいね〜。行こっか！」

やった！髙木とご飯だ〜！

しばらくこのドキドキは続きそうだ。