行ってらっしゃいとかいう挨拶《呪術廻戦》

10.五条side ページ10

俺たちの目がおかしいのか。
硝子を引っ張って同じ資料を見せる。


何度見ても文字が変わることはない。
1月16日、いつだ。


この前体調不良だって一番最初に聞いたのは24日。
8日前に榊原さんは死んでいた事になる。


16...俺が行ってらっしゃいって見送った日？
あの日に死んだのか？何で？何があって？


何で体調不良なんて嘘をつく？
何で隠そうとする？


教室の空気はまた重くなった。
放課後の時間になっても椅子に座って時計の針がカチカチいう音を聞いているだけ。

夜蛾「お前らまだ残ってたのか、早く帰って_____」


五条「榊原さん」


五条「体調不良じゃないんじゃねぇの」

ヤガセンが出張から帰ってきて、教室に顔を出した時に
一番最初に出た言葉はそれだった。

夜蛾「...........」


夏油「資料室を見ました。彼女は16日の日付で亡くなったと書かれていました。」


そういうとヤガセンは教卓前まで歩いてきて、俺たちに頭を下げた。
夜蛾「お前らが.....榊原に懐いているのは知っている....。彼女がもしも死亡したとなれば.....また...」


言いたい事は分かる。
Aが死んでまだそんなに経っていないのに、また1人いなくなるとか精神的にくるものがある。


しかも亡くなった同級生に似てる。名前も同じ人とか。
呪詛師に襲撃にあって任務先で亡くなったらしい。


俺らに気を遣ってくれてる。
この事実を知ろうとしなければ、俺たちはまだ、あの日のままでいられたのだろうか。

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