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甘い ページ40

宿舎に帰ってきた時、その時はお昼前でホソクもユンギも学校に行っていたが、見慣れた赤いコンバースハイが玄関で綺麗に並んでいた。
「ただいま。」
リビングにはミファの姿は無く、寝室を覗くとぼうっとした顔で、ほぼ学校に行ったままの姿でベッドに座っていた。
「…おかえりなさい。」
「ミファ、お菓子食べる?」
帰る途中買ってきたチョコレートを差し出すと、遠慮がちに手を伸ばして受け取る。
「ありがとうございます。」
「ご飯は?」
「何となく、食べました。」
昨日から着替えていないので、制服のまま。締め付けないようにと緩められていた制服のズボンからは下着が見えている。
「着替えは?」
「なんか、起き上がるので精一杯で。」
ユンギの言っていた通り、彼は随分泣いたらしい。瞼が赤くなっていて可哀想だった。
「シャワー浴びないと気持ち悪くない?」
「少しだけ。後で浴びてきます。」
荷物を下ろしてミファの隣に座り、慰めるようにゆっくりと頭を撫でるナムジュン。
「いい子だな、ミファは。」
ミファは何も言わなかったが、ナムジュンの優しい手つきを感じながら少しだけ微笑む。お互い子供同士だったけれど、ミファのことを守ってやらないといけないと強く思う。
「チョコレート食べないの?」
「…食べます。」
ほっそりした指で摘んで、何を思ったかナムジュンに差し出す。
「ミファに買ってきたんだよ。」
「僕が、ヒョンと一緒に、食べたいだけです。」
甘えとも取れるその言葉で、目を細めて笑うナムジュンは、素直にミファのそれを汲んで甘すぎるくらいのチョコレートを受け取って口へ放る。
(子供が好きそうな味だな…まぁ、俺もまだ子供のうちだけど。)
ゆっくり咀嚼するミファは、残りを丁度半分に分けてナムジュンの掌に乗せ、顔を上げて小さく微笑んだ。
「半分こできる人がいるって、嬉しいです。」
相変わらずあまり表情に変化は殆ど無い。でも、少しずつ笑顔が増えてきた。
「本当にいい子だな。」
第一印象では冷たいと思われがちな彼が、こんなに優しい心を持っているのだと改めて気づいて、今日までに溜まった疲れが一気に取れた気分だった。

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テェギ(プロフ) - 柚木さん» 自傷の跡がめちゃくちゃすきです (2018年7月2日 19時) (レス) id: 59032997b8 (このIDを非表示/違反報告)
柚木(プロフ) - テェギさん» ありがとうございます私も愛してます愛してる世界... (2018年6月12日 14時) (レス) id: 1bbb38c60f (このIDを非表示/違反報告)
テェギ(プロフ) - 柚木さん愛してます愛してる世界 (2018年6月12日 7時) (レス) id: 59032997b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚木 | 作成日時:2018年6月11日 20時

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