おやつの時間 (ページ2)

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４４．遠回しの告白ページ2

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俺の部屋にはプロジェクターがあるから、と次の日が休みの日や早起きしなくてもいい日には深夜二時ごろに部屋をノックしてくるかわいい子。いつも外が明るくなる頃まで映画を見ながら酒を呑んでは静かに話していた。

最近はお互いに忙しかったから久しぶりにその時間を作ることができることに素直に嬉しく、さっきまでのムシャクシャとした嫉妬心は粉々になって消えていたのも束の間、酒が強い理由を何気なく聞いたらジェヒョンとよく呑んでいるからという事実を知ってしまった。だから俺の知らないワインを愛着があるように呑むわけだ。さっきまで粉々になっていたものが徐々に集められてゴロゴロと胸の中で音を鳴らしながら回っている。なんて軽率なのだろう。

マッコリをワイングラスに入れて飲む彼女を見ながら同じものを飲むと、詰まってすごく苦い味がした。

「どよんくんと一般人同士で出会ってたとしたら、」

空のワイングラスを癖のように回しながら少しだけ残ったマッコリを見る彼女はたまに誰もなにを考えているのか分からないような表情をする。俺はその顔が好きだ。

「きっと好きになってたと思う。」

不意打ちすぎて吹き出すかと思った、と言うと笑って目線を外し流れる映像に目を向ける、その横顔から現実に脳が追いついていかないほどに嬉しくて、切なすぎるその言葉を本心から返事するものなのか、冗談だと受け流すのかと判断が鈍っている。

「俺は好きだよ、今もずっと」

少し冗談ぽく、真剣に伝えるとなんだか照れ臭そうに鼻を擦る彼女の仕草が愛しくて大切で、頭が痛くなった。もし一般人同士で、というその世界に出会えてるとしたらなんて彼女と出会って何度も考えたんだ。何十年かかったとしても想い続けて絶対に俺が幸せにしてみせる。なんてただの酔っ払いが考えることだと思われそうだから言わないけど、今世だってそのようにすることは可能じゃないのかと勇気が生まれたその言葉だった。

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