470.side降谷 ページ32
「「家族になろうよ」」
そう言われて、はっとする。その言葉は、離れる前に俺が残していった言葉だ。
それを覚えていてくれた子供たちに、驚きそして喜びが込み上げてくる。
「ねえ?パパ??」
「まだだめなの??」
「返事は!」
返事をしない俺に、満面の笑みから一転、少し不安そうな表情をうかべた3人に、慌てて首を横へと振る。
「いいや!!こちらこそ、だ。ただいま。待っていてくれてありがとう。今度こそ。家族になろう。」
泣きそうになりながらも何とか笑みを浮かべて、そう返事を返せば、パッと顔を輝かせた3つ子は、こちらに駆け寄ってきた。しゃがんで迎えてやれば、逢生に遠慮してゆっくりではあるものの3人から抱きしめられて。
ようやく、この手に幸せを掴むことができた。
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逢生を迎え入れてからしばらく。
親や親戚への挨拶も済ませ、後は婚姻届の提出だが、これには警察官という事で少々手間取るということだったのだが、黒田管理官が手回ししておいてくださったおかげで申請がするすると通り、るんるんな俺は、子供たちとAと共に今日、提出に行くことになっている。
その後、あの場所へいこうと思い、Aにも声をかけた。逢生が来てからの初めての家族でのお出かけだ。
「わあ、人いっぱいねー」
「澪、離れないでね?」
「郁流もだぞ?」
手を繋いで団子になっている3つ子にAと、腕の中の逢生。6人で提出に行けば、受付のお姉さんにおめでとうございますと祝福された。提出日は3月14日。円周率にあやかって、永遠に続くという意味があるのだそうだ。
午前中に提出を終えて、店に向かう。そこは例のジュエリーショップだ。首を傾げるAに、俺はクスリと笑って3つ子と手をつなぎながら中へと入っていった。
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すず(プロフ) - 更新待ってます (4月20日 17時) (レス) id: 2af65047db (このIDを非表示/違反報告)
しろ - 感動。 3子ちゃん尊い (3月12日 21時) (レス) @page35 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
TAKE - こんなに最高で泣ける作品初めてです!頑張って下さい!! (7月8日 0時) (レス) @page35 id: 20d3cc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ@前垢消えた(プロフ) - 神作品をありがとうございます。、、。、、、おかげで涙が止まりません、、、、尊いのをありがとう (5月14日 13時) (レス) @page35 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - はじめまして、2月に入りこちらの作品を見つけ、ようやく最終更新まで読み進められました…!続きを楽しみに待っています! (2023年2月4日 2時) (レス) @page35 id: 240298aea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真紘 | 作成日時:2019年1月1日 21時