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そんな生活を続けていたある日、莉犬くんが電話に出ない日があった
何があったのか分からないけどLINEを入れても既読がつかなくて心配していた
その次の日、いつもの時間に莉犬くんから着信があった
「 もしもしっ! 」
[ ぁ、ころちゃん…昨日はごめんね、 ]
いつもより少し元気のないような莉犬くんの声
電話越しに微かに聞こえてくるピッピッという機械音
「 何かあった? 」
[ ん、?ぁないよ。大丈夫 ]
「 、そう… 」
[ ねぇ、ころちゃん。俺ね「おやすみ」って言って貰えるのすっごい嬉しいんだ ]
電話越し、莉犬くんの声が震えてる
「 うん。僕もだよ 」
[ いつもひとりぼっちでさ、寝る前に考えちゃってたんだ。死んだらどこへ行くんだろうとかね…w
でも、ころちゃんと友達になって…電話するようになって色んなお話聞けて…「おやすみ」って言ってくれて…嫌なこと考えないで眠れる
明日も「おやすみ」って言って欲しくて頑張って生きてるんだ ]
「 、莉犬くん? 」
[ でも、もう今日で最後 ]
「 ねぇ莉犬くん…、? 」
[ 、ころちゃんありがとう ]
胸がザワザワして、電話越しなんかじゃなくて莉犬くんに会いたいと椅子から立ち上がる
「 っ、今から病院行っていい? 」
[ …ダメだよw もう面会時間過ぎてるし ]
「 じゃあ明日! 」
[ それもダメ ]
「 なんで… 」
[ ダメなの……、ねぇころちゃんメロンパン美味しかったね ]
「 莉犬くん、やだよ僕 」
[ やじゃないよ ]
優しくて、温かくていつもの莉犬くんの声
____もうすぐ電話の時間が終わる
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[ ころちゃん、もう時間だね ]
「 ねぇ、もう少しお話しようよ。僕まだ今日の話してない。昨日の分も…! 」
[ 俺もう眠いから寝るよ ]
「 だめ。寝ちゃダメ! 」
[ ころちゃん、おやすみ ]
「 莉犬くん! 」
[ ころちゃんも言って? ]
「 ……、最後じゃないよね? 」
[ …わかんない ]
声が震える
なんで僕はこんなにも怖いと思っているんだろう
電話先の彼ともう一生顔を合わせることが出来なさそうで
あの日一緒に食べたメロンパンやポカポカの太陽を鮮明に思い出す
「 …おやすみ、莉犬くん。またあした 」
[ 、うん。またあした ]
プープーと電話が切れた音がする
椅子に力なく座った僕
頬には一筋の雫がつたった
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リーベ - 夢代行サービス、とっても良かったです…!死ネタは苦手なのですがこちらのお話は最後まで泣きじゃくりながら読めました(ノД`)・゜・。素敵なお話ありがとうございました。 (8月20日 3時) (レス) id: 09300b9193 (このIDを非表示/違反報告)
はゆの(プロフ) - らふのすけさん» 了解しました! (2023年2月14日 13時) (レス) id: b5eb2ea323 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - すなねこさん» 兄弟パロ!ありがとうございます🙌かしこまりました! (2023年2月14日 9時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - はゆのさん» ありがとうございます🙇♀️予定ですが、46話での公開になると思います! (2023年2月14日 9時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
すなねこ - かいてくださりありがとうございます!!めちゃ刺さりました、、。リクエスト失礼します!兄弟パロで桃くんいじめでおねがいします!!看病は赤くん中心で、できれば青くんが体弱くてみんな桃くんに気付けないシチュお願いします! (2023年2月11日 22時) (レス) id: 9b8c3c3801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2023年1月8日 2時