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病院に着き、キョロキョロしながら指定された場所に向かう
大きな病院の中庭だった
「 …ころんさん、ですか? 」
僕の名前を呼んだその人は、点滴を引いてスウェットを身をまとった小柄の男性
「 はい、! 」
「 ぁ、あのメロンパンの主です… 」
「 あぁ!どうぞここ座ってください 」
座っていたベンチの隣を開けて手で促す
「 すみません。わざわざこんな所まで… 」
「 いえ!ぁ、なんて呼べばいいですか? 」
「 ん〜、 」
「 別に本名じゃなくていいですよ。僕もころんなんて名乗ってますしw 」
「 じゃあ莉犬で 」
「 莉犬くん!分かりました!ぁこれメロンパンです。すみません1人1つだったみたいで 」
メロンパンの入った紙袋を彼に渡す
「 ありがとうございます。2個頼んだのは2人で食べたいなって思ってたんですよ…w 」
なんて、小さく照れ笑いを見せる莉犬くん
「 え、いやいいですよ僕は!w 」
「 いや半分こしましょ 」
紙袋から取り出した莉犬くんの顔くらいある大きなメロンパンを彼は半分に分け、大きい方を僕に渡した
「 ありがとうございます… 」
「 こんな大きかったんだ…ひとりじゃ食べられなかったんでちょうど良かったです 」
「美味しいですね」なんて言いながら、無言でメロンパンを食べきった
燦々と輝く太陽がポカポカと僕たちを照らしながら早起きしたからか少し眠いななんて思いながらぼーっと中庭に咲く名も知らぬ花を見ていた
「 ぁ、お金…3000円とメロンパン代の500円 」
「 ありがとうございます 」
「 夢って叶えるのはひとつだけなんですか? 」
「 いや、そんなことないですよ。たまに夢というより願望を一緒にやろうみたいな話もあったりして、何でも屋みたいにもなってるんでw 」
「 そうなんですね、 」
「 他にも夢あるんですか? 」
「 …夢は、無いです。俺、見ればわかると思うんですけどここに入院してて。夢なんて叶ったことないんで…w 」
彼がなんで入院しているとか知る由もなくて、ぶっちゃけあんまり気にならないけど
けど、彼の寂しそうなその笑顔は見過ごせなかった
「 僕が何か叶えられることあります? 」
「 こんなことお願いしていいのか分からないんですけど… 」
彼は、そんな前置きの後大きく息を吸って言う
「 お友達になってください 」
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リーベ - 夢代行サービス、とっても良かったです…!死ネタは苦手なのですがこちらのお話は最後まで泣きじゃくりながら読めました(ノД`)・゜・。素敵なお話ありがとうございました。 (8月20日 3時) (レス) id: 09300b9193 (このIDを非表示/違反報告)
はゆの(プロフ) - らふのすけさん» 了解しました! (2023年2月14日 13時) (レス) id: b5eb2ea323 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - すなねこさん» 兄弟パロ!ありがとうございます🙌かしこまりました! (2023年2月14日 9時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - はゆのさん» ありがとうございます🙇♀️予定ですが、46話での公開になると思います! (2023年2月14日 9時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
すなねこ - かいてくださりありがとうございます!!めちゃ刺さりました、、。リクエスト失礼します!兄弟パロで桃くんいじめでおねがいします!!看病は赤くん中心で、できれば青くんが体弱くてみんな桃くんに気付けないシチュお願いします! (2023年2月11日 22時) (レス) id: 9b8c3c3801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2023年1月8日 2時