Symphony３【病系】【短編集】

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黄side









撮影の休憩中、トイレに入ると先客がいた

手も洗ってないのに洗面台の水をざーっと出しながら、洗面台に体重をかけるように手をついて俯いている少し長めの茶髪





「 ジェルくん？ 」

「 、っ…ぁ、るぅちゃん 」


驚いた様子でこちらを見上げた彼は固い笑顔を僕に向けた




「 どうしたの？体調悪い？ 」

「 ん、いや…？w 」

「 熱とかあるの？ 」

「 分からへんけど、なんか…ぼーっとはする 」


水を停めたジェルくんは、みんなの元へ戻ろうとトイレを出ていこうとする




「 、みんなに伝えなくていいの？ 」

「 いいよ…変な心配かけたくないし、それに俺のせいで中止になるのは嫌やから 」

「 … 」

「 やから、るぅとも内緒にしててな…お願い 」


優しい朗らかな雰囲気のままふわっと笑ったジェルくんはトイレを出ていってしまった



心配も迷惑も、掛けてくれていいんだよ

そのいつも僕らにプレゼントしてくれている優しさを、僕達もキミにプレゼントしてあげたいよ


そう思ってたって、言わなきゃ伝わらないのに＿＿＿＿





＿





みんなの元に戻ると、ジェルくんがさとみくんと何やら話していたあと机に突っ伏した



「 ジェルくんどうしたの？ 」

「 寝させてるだけ。まだ撮影準備かかるらしいから 」

「 そっか 」

さとみくんも他のみんなもジェルくんのことには気がついてみたい



少し寝たら良くなったのか、撮影はいつも通りというかいつも以上に絶好調って感じだった

でも、それもみんなを心配させないために頑張ってたみたいで撮影が終わった瞬間よろけたところをキャッチする



「 、ごめ… 」

「 ううん。お疲れ様 」

彼をソファーに横にならせて、ブランケットを掛ける


コンビニでほっとレモンとホッカイロ、消化に良さそうなゼリーを買ってジェルくんの元に戻る

すやすやと眠っているジェルくんの前の机に買ってきたものを買ってスタッフさんとの打ち合わせをする




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「 、るぅと？ 」

「 ぁ、ジェルくんおはよう 」

「 おはよう。あの差し入れるぅと？ありがとな 」

「 ぅん、 」

「 優しいなるぅと 」

「 いつも優しくしてもらってるからね、ジェルくんには 」



優しさはんぶんこ

分け合って、手を繋いで進もうね




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はんぶんこ−fin.


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