Symphony３【病系】【短編集】

36_シリウス【水×桃】* ページ31

リクエストありがとうございましたヽ(‘ ∇‘ )ノ

▶︎喘息

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水side










「 、ん…っは…ｹﾞﾎｯｹﾞﾎ 」


息苦しさで目を覚まし、体を起こしながら咳き込む

最近夜に発作起きることが増えてて手の届くところに用意していた吸引器を使って、なんとか発作を最小限に抑えた






「 …、4時、はぁ 」


横になるとまだ息苦しいからとベッドに座った状態で携帯を開くと、ピカっと光った明るい画面の数字はまだ4時を表示している

今日は朝からリハーサルだから、7時には起きる予定だったけどさすがにこれは早すぎる…


たぴちゃんもまだ眠っているし、外はまだ夜並みに暗い

けどもう眠れる気はしなくてベッドから立ち上がりリビングに向かった





「 、けほっけほ… 」


もう…と、痛む胸と息苦しさにクラクラしながら慣れることの知らない喘息というものへの向ける在処のない怒りを、ため息として出すのみ




.





気を紛らわすためにシャワーを浴びて、パソコンの前に座る

編集をしておけば時間はあっという間に過ぎていって、気がついたら朝日が顔を出していた




「 よしっ…いこ 」

空きっ腹に薬を流し込んで、吸引器とかをバックに突っ込んで、リハーサルに向かった





＿






「 …はぁっ、 」


ダンス練習に、セットリストの確認と修正、衣装合わせ

やることは沢山あって、みんなそれに必死に食らいついていく





「 ころん、もう1回通しいける？ 」

「 んー、いけるよ 」


今日は今回のライブの見どころとも言えるようなダンスが多いパートのリハーサルだから

振付師さんやダンサーさんも一緒に何度もダンスを踊る


僕達は歌うからそんなに激しいって訳じゃないけど、やっぱり息は切れるわけでいつもより息苦しいし息が切れるのが早い気がしていた






「 …ﾋｭｯ、っは……、けほ 」

「 、ころん？ 」

「 …はっ、…ｹﾞﾎｯｹﾞﾎ、ﾋｭ…、ごほっ 」


曲が止まった瞬間から、僕は重力に負けるように膝から崩れ落ちた




胸が痛い

ﾋｭｰっと喉から嫌な音が鳴って、それをバレないように抑えようとするとさらに苦しくなる

咳が漏れ、視界が揺らぐ






「 ころん？！、大丈夫か？ 」


少し焦ってるさとみくんの声がする





「 、っはけほっ…ｺﾞﾎｯｺﾞﾎ……ﾋｭｰ、 」


大丈夫って言いたいのにその言葉を言えることは無かった




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