Symphony３【病系】【短編集】

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赤side









レコーディングが終わったら、ツアーに向けてのリハーサルだったりダンスの練習だったり、やることは山盛りで

リスナーさんに喜んでもらえるように今日も今日とて俺たちは集まってるわけなんだけれど、最近るぅちゃんがずっとおかしい




ぼーっとしていたり、心ここに在らずな感じだったり、何も無いところでコケたり、いつも同じところでミスしたり…


今までのるぅとくんなら絶対にしないような失敗だらけなんだ






「 るぅとさんそこ右ターンですね。ずっと左ターンになってますよ 」

「 るぅとさんはこっちへの移動です 」


なんて、ダンスリハであんまり注意されたりもし無いはずのるぅとくんが最近は別人のようだ




「 …、はぁ 」

休憩中、壁にもたれてタオルを頭にかけて俯いている彼の隣に座る



「 、るぅとくん？大丈夫だよ 」

「 …怒っていいよ。もっとちゃんとやれって…僕が1番分かってる……、 」


床にがんっと拳を当てたるぅちゃんの荒々しい姿に驚いたけど、それだけ悔しさが伝わってきて俺は彼の大きな背中を摩る




「 顔色悪いし少し休憩してれば？ 」

「 いい。僕が遅れてるんだから…やらないとでしょ、 」


そう言って重たそうに体を持ち上げ立った彼を俺は反射的に引き止めた




「 …るぅちゃんちょっと大事な話ある 」

咄嗟に着いたそんな小さな嘘で彼の手首をぎゅっと握って、リハーサル室から出た





＿






やって来たのは小さな会議室みたいなところ

ここなら多分誰も入ってこないだろう




「 何…、もう休憩終わるでしょ 」

「 るぅちゃん頑張ったね 」

俺は、彼を精一杯抱きしめた



「 、っ…なに、 」

「 辛いこと教えて？るぅちゃんはもう沢山頑張ってるから、その辛さ2人ではんぶんこしよう 」

そう言うと、彼の背中が震え始めぐすんと鼻をすする音が耳元に鳴る




「 ……、りいぬ、ぅ… 」

「 うん。話して、ね？ 」

「 …、寝れないの…寝ようとしてもすぐ目が覚めて不安になって……、薬を飲んでも意味無くて…。
変な失敗ばっかりしちゃって…、、自分でも、怖くて… 」

「 そっか 」


抱えていたこと、話してくれてありがとう

その気持ちを込めて、もう一度彼をぎゅっと抱きしめた



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