Symphony３【病系】【短編集】

30_林檎【桃×水】* ページ12

お久しぶりのリクエスト本当にありがとうございます😭
▶︎病弱(メンバー4人設定)

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水side








「 おはよ… 」とテンション低めで事務所に入ってきたと思えば彼は真っ直ぐソファーに向かっていき倒れ込むように寝転がる

ソファーの上で小さくなっている姿だけで今日は体調悪い日なんだなってすぐに理解した




「 おはようございます！って…すみません大きい声出しました 」


他のメンバーもすぐに状況を把握して、いつもより小さな声で会話をしたりなるべく彼の負担にならないように行動したり

グループ結成7年目にもなると阿吽の呼吸ってのが出来てくるらしい




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「 さとみくん、起きれそう？ 」

そろそろ起こさないとまずい時間帯に差し掛かって、彼の肩を優しく揺らしてみる



「 ん、… 」

「 頭？熱？ 」

「 …どっちも 」

「 分かった。ゆっくり起き上がってね 」


少し前までは不調を必死に隠していた彼も、最近は体調が悪い日を隠さないでくれて昔より遥かに接しやすくなった

体に触れるだけで体温がかなり高いと分かる。体を起こしただけで頭が痛そうに顔を顰める

…今日はいつもよりも体調が悪そうだ




「 ちゃんと見とこうね 」

「 うん 」


最悪は意識を飛ばされること。それはみんなの共通認識

莉犬くんが眼光を鋭く光らせさとみくんを心配そうに見張る



今日はYouTubeの動画撮影

衣装に着替えたさとみくんは、フラフラとカメラの前に立ち僕たち3人と顔を合わせる

頬はほんのりと赤くて、さとみくん頼りに撮影を進めちゃ行かんぞと背筋が伸びた



「 、俺…そんなやばそう？ｗ 」

僕たちの顔を見回したさとみくんがいつもより固い笑顔で聞く



「 うん。止めなくていいのか迷ってるぐらい 」

「 限界超えちゃダメですよ？ 」

「 分かってるよ。ありがとな 」

こんな時までお兄ちゃんの顔つきをしているさとみくん




ふぅと息を吐いて彼は僕に背中を向けた


「 ころん、気合い入れに叩いて 」

「 え？ 」

「 一思いにやってくれ 」

「 わ、わかった。行くよ…！ 」


彼の背中をパシンっと叩く

顔を上げ僕に「あざす」といった彼はさっきまでの朧げなんかじゃなくていつも通りの凛とした顔つきだった




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