検索窓
今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:5,547 hit

. ページ8

.









4限の始まりを告げるチャイムが鳴った頃ころんくんがいつもより少し怖い顔をして教室に戻ってきた

一緒に教室から出ていったさとみくんの姿はない




先生が入ってきて、授業が始まる

「 あれ、桃瀬は? 」と、先生の質問に答える人はひとりもいなかった





隣の席は、バックと筆箱が置いてあるままポツリと空いている






.







そのまま彼が戻ってくることはなく、4限が終わった



お昼休みに入ってみんながお昼ご飯の準備を始める頃、私は席から動けずにいた






「 A?ご飯食べないの? 」

「 あっ、いや食べるよ 」


紅葉が私の席に来て不思議そうに聞いてくる




「 あ、さとみくん?どこいっちゃったんだろうね 」

「 うん… 」


なんて話していると、廊下にさとみくんの姿が見える

どこかのクラスの女の子とやって来て、ヒラヒラとその子に手を振ったあと何食わぬ顔で教室に戻ってきた






『 、ん?なに? 』


私があまりにガン見しているからか、そう問い掛けられた




「 …サボり 」

『 ふっ、違う違う 』

「 違くないでしょ、何してたの 」

『 んー空の観察? 』


そう言いながら、自分の椅子を私の机の方に持ってきて座った






「 え、 」

『 俺お腹すいたなぁ〜 』

「 おサボりさんに上げるお弁当なんてありませんよ 」

『 うわっ、お前ってほんとに俺に意地悪な 』

「 はぁ?w 誰が言ってんのよ 」



なんて私たちの口喧嘩をガン無視しながらお弁当を食べ続ける紅葉





「 ほら、」


終わりの見えない言い合いを終わらせるためにバックからお弁当を出して渡した





『 やった!…うわぁ美味そ!待ってハンバーグじゃん! 』


お弁当を開け、目をキラキラさせたさとみくんは「いただきまーす」と甘い卵焼きを一口で食べる







『 え、まって 』


口元を押えて彼は固まる




「 …、美味しくなかった? 」

『 …… 』


何も答えてくれなくて失敗したかなと心配になった












『 …めっちゃ美味しい 』


噛み締めるようにさとみくんはそう言って、あっという間に米粒ひとつ残さずお弁当を食べきってくれた




.

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
89人がお気に入り
設定タグ:stxxx ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

さき(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気読みしてしまいました笑更新まっています! (2023年2月17日 23時) (レス) @page12 id: c800817252 (このIDを非表示/違反報告)
わっふるのとっぴんぐ(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて気になるお話でした✨ゆっくり更新頑張ってください! (2022年12月11日 0時) (レス) @page12 id: b8d201f8af (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - イズさん» コメントありがとうございます!喜びの舞ですと!?見たいですw🕺🕺🏻🕺🏼 沢山お待ち頂くと思いますがこれからも宜しくお願いします:( ;´꒳`;) (2022年10月5日 1時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
イズ(プロフ) - 短編だけで終わらないのが嬉しすぎて、喜びの舞踊りました😂更新コツコツ頑張られてて尊敬です👀✨ (2022年10月4日 16時) (レス) id: 8ca66cd038 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈(プロフ) - らふのすけさん» いえいえ〜大丈夫ですよ〜 (2022年10月2日 6時) (レス) id: f13dba8896 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らふのすけ | 作成日時:2022年9月28日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。