ほっとらて【短編集】

ここから【水】 ページ8

テーマ▶︎文化祭
リクエストありがとうございました😊

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『 お、Aちゃん買い出し？ 』




文化祭が近くなってきた学校は、いつもと雰囲気が違って楽しい


退屈な授業は無いし、クラス一丸となっていい出し物ができるようにって








「 うん、そう 」


私は会計係になったから、買い出しにはついて行く事が多い









『 一人で行くの？ 』

「 うん。買う物少ないし行けるよ 」



同じクラスのころんくん


制服のズボンに去年の体育祭のTシャツを着て、ペンキ片手に話しかけてきた







『 危ないよ、僕も着いてこか？ 』

「 え、でもやる事あるでしょ？ 」

『 いやもう終わるから！それに僕自転車だしね 』




文化祭は、高校生活の中でもかなりの確率でカップルが誕生することが多い


準備期間から、当日、後夜祭まで、一緒に楽しんだらそりゃあ発展してちゃうんだろうな





私も、ころんくんと少し発展したいな…なんて淡い期待を抱いていたんだけど、今のところ全然


やっぱり同じ役割同士で話すことが多くなるし、役割が違ってしまったから仕方ないのかもしれないって少し諦めてた





でも、これってもしかしてチャンスじゃない？








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「 いいの？ 」

『 うん！待ってねすぐ準備する！ 』



とびきりの笑顔でそう答えたころんくんは、残りの塗り作業を他の人に任せて、着ていたTシャツの上からワイシャツを羽織り私の前に現れた







『 よし、行こっか 』


まさかこんなタイミングで2人きりになれると思ってなかった





自転車置き場までの廊下


色んな教室で沢山の人が準備をして賑わっている




そこを2人で歩くだけで、なんか少しだけ優越感に浸れた







『 何買うの？ 』

「 えっと、ペンキ塗るようの筆とあと怖そうなお面とか買ってきて欲しいって 」

『 なるほど 』



私たちのクラスの出し物はお化け屋敷で、当日はころんくんは客引き役、私は受付を任されている







『 そのお面は僕が被っていいやつ？ 』

「 うん、多分ね。客引きの時の怖さ演出用らしいから 」

『 へぇ〜じゃあ僕に選ばせてよ 』

「 いいよ、勿論 」




校門の前で待っていると、ころんくんが自転車に乗って来た


私の前で自転車を降りて、荷物置いていいよと、カゴを指す






学校を出ると、正真正銘の2人きり


なんだか緊張してしまって、何を話せばいいか分からないな





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