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次の日、いつもより早く学校に行く
さとみくんが登校してきたところですぐに彼の机に向かった
『 お、Aさんおはよう 』
「 …おはよう、ございます…
あの、昨日の、あの…ジャージ!なん、ですけど、 」
彼と目を合わすことは出来ない
クラスのど真ん中で、人気者のさとみくんとはみ出しものの私が会話をしている
気にするな、と心で言い聞かせるけどやはり周りの目は気になってしまう
「 、え、なんでさとみくんとあの人が喋ってんの? 」
そんな声がすぐ近くから聞こえてきた
「 あの、、あの…ッ 」
『 うん、聞いてるよちゃんと 』
周りの声が気になって、次の言葉が出てこない
体はどんどん縮こまって手が震えてきた
『 、ここ出ようか、ね? 』
それに気づいたのかさとみくんはそう提案してくれて、私は頷きゆっくりと彼について行った
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階段を幾らか降りたところにある校舎と体育館を繋ぐ渡り廊下
ここならあまり人は居ない
『 どうしたの?ジャージの件なら急がなくて全然いいけど 』
「 …あっ、それを言いたかったんです…… 」
『 ふはっ、そう!w
移動する時間の方が長かったね 』
なんて、穏やかに、とても余裕そうに笑う彼にまた胸がキュッとした
『 そうだ。L○NEは流石にやってるよね? 』
「 あっ、はい… 」
彼が見せた携帯の画面には、友達追加のQRコード
『 これなら話せるでしょ 』
「 ぁッありがとうございます… 」
彼を追加した
家族以外ほぼゼロの私のトーク画面に彼が居る
何故かそれだけで少しだけ強くなれた気がした
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教室に戻っても私は携帯を両手で握りしめていた
[よろしく]というスタンプが送られてきていて、それに返信をして
既読マークが着いたそのトーク画面をひたすらに眺める
なんでかは分からないけど、少しの優越感と
来るはずは無い彼からの連絡を心待ちにしてしまうソワソワ感が堪らなかった
そんなことは絶対に有り得ないのに“彼は私を思ってくれている”とか、
少し会話をする度に“今彼は私のことを考えてくれている”とか自分が幸せに思えることばかり浮かんできて表情が緩む
でも、そんなことは有り得ないんだよ
私のこの気持ちの正体を知るとき、こんな私が幸福な訳がないんだ
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らふのすけ(プロフ) - あたおかほっとけーきさん» お、もう消してしまったから相当ラッキーだね。テスト?何の心配もない笑って誤魔化そう!w (2022年10月26日 0時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - ネコ日和。さん» お久しぶりです!コメントありがとうございます😊 移行しましたので是非ご覧ください( ˶¯ ꒳¯˵)👍🏻 (2022年10月26日 0時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - nozomi uedaさん» コメントありがとうございます!それは個々人のという解釈で合ってますか?それとも赤さん×黄さんの同性愛的なお話ですかね?(同性愛の場合フラグを立てないと書けないため本作品でのリクエストは申し訳ないのですがお答えできないです) (2022年10月26日 0時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - いづ@ころりすさん» ありがとうございます☺️ (2022年10月26日 0時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
らふのすけ(プロフ) - しゅあ。さん» でしょ!!いいのあるかなーと探してたら奇跡的に見つかりました!w (2022年10月26日 0時) (レス) id: 75a74ec2d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らふのすけ | 作成日時:2022年9月16日 16時