27 ページ27
———
混乱した頭のままフリーズしていると、温められたトッポギと即席のスープがテーブルにのせられる。
Hj「食べられる?」
「うん、ありがと」
湯気が上がるほど熱々のトッポギをスプーンでひと掬いするとそのまま口に含む。もちもちの食感が強くてなかなか口の中から無くならない。
その口の中にこれまた熱々のスープを口に入れる。
「うん、おいしい、スープ」
Hj「本当?初めて作ったんだ」
初めて作った割にはうまいなと思いながらもう一度口に運ぶと「レシピ見たんだ」といたずらっぽく笑う。
食べ始めてからしばらくすると食器を置いて私の方をまじまじ見る。
Hj「それで、なんであいつは部屋の番号知ってるの？」
「あいつってヨンボギ？」
Hj「ヨンボギなんて親しく呼んじゃってさ〜」
今日は私の言葉一つ一つにつっかかってくるな、とちょっと不審に思う。これが俗にいう嫉妬を思わせるものなのか、ただ単にそう言ってるだけかは正直よくわからない。
これはスルーしよう。
「この前色々あって家まで送ってもらったの」
Hj「色々って？」
「色々は、色々」
ヨンボギの前で大泣きをしたから送ってもらったなんて、恥ずかしくて口が裂けても言えない。腑に落ちないような表情を見せてそのまま辛いそれを口に運んだ。私も次の言葉を待たずして、同じように食べた。
それ以上、詮索しなくなった彼はふーんと返事をする。
私の空になった取り皿を見るとすかさず、「食べれる?」と聞きながらも多めの量を取り分ける。
Hj「よく風邪引く方なの?」
「ううん、久しぶりだよこんな熱出るの」
食事を進めながら、他愛のない会話を交わす。
ヒョンジンは気が使える人みたいで、スープのお皿が開けば「おかわりいる？」なんて聞いてくれるし、飲み物も空になれば何も言わずに水を入れてくれる。
そんなのあまりなれてない私は、ぎこちなくされるがままそれを受け入れている。
「ヨンボギと仲いいの?」
買ってきてもらった薬を飲みながら聞く。
Hj「いや、今日チャニヒョンのところに行ったらいて、それでAの話聞いたから」
ヨンボギが空きコマの時に買っておいてくれたトッポギを奪って家まで来たらしい。
スマホの充電がないことを思い出して、ソファーから腰をあげてベッドの脇にある充電器を手に取った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 682人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
🐣 - 24話目がただただ胸がキュッとなって…ピリペンの私には涙の回でしたㅜㅜ引き続き楽しみにしております！ (2023年12月8日 6時) (
レス) @page24 id: ba7c22e5aa (このIDを非表示/違反報告)
名無し68593号(プロフ) - 更新お疲れ様です！本当に好きです登場人物からストーリーまで全部がすごく好きです！これからも応援してます！ (2023年12月6日 19時) (レス) @page23 id: 38145731e9 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - とても読みやすくて何回も読み返してしまいました。こういうお話大好きです！更新楽しみにしてます。 (2023年11月30日 0時) (レス) @page13 id: 62890fab6a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：meru | 作成日時：2023年11月28日 10時
