＊12＊写真家 ページ16
ド(嘘だ…嘘だ…！！)
ボクはこの試合で初めて知ってしまった。
写「お遊びはここまでだよ」
ド「あｯ」
バランスを崩しその場に倒れ込んだと同時に、ドスッと壁にボクの顔スレスレで剣が刺さった。
違う。ボクは“コレ”に恐怖を抱いているんじゃない。
ボクが怖いのは、目の前にいるーーーー・・・・・
写「私が怖いのかい？可哀想に…震えているじゃないか」
【ドール】として扱われたボクが認める美しさを、この人は持っている。
でも違うんだ、コレじゃない。だって…この顔は……
ド(祖父の18の誕生日に描かれた絵に“一緒にいた”男性と…そっくりじゃないか、)
ドクンドクンと心拍数が上がっていく。
どうして？祖父は生きていたらもう60は超えているはず…ならば“あの男性”はこの方の親族？いやここまで似ているのも可笑しい。だってまるで生き写しのようにここに存在しているんだ！
ド(ボクの初恋を…見間違うわけが無い)
色のない世界で唯一色をくれた。
人形に初めて【感情】をくれた人だった。
でも、無理だった。だって絵だから！
ド(でも不思議…嬉しみも悲しみもない、あるのは喪失感だけ…会えて嬉しい、出会えて嬉しいはず、なのに)
ココロのどこかで思っていたのだろう。
手に入らないから夢を見る。
叶わないから願ってしまう。
写「ーーーーー・・・・君は、」
ハンターがボクの目の前へしゃがみ、目線を合わせてきた。
ああ、やっぱりあなたは美しい。
写(グロスター家…この子の瞳、ヤツにそっくりだ。40年ほど前に出会った…彼にな)
ハンターは笑った。
写「気が変わった。A、私はジョゼフだ。覚えておいてくれ」
ボクの手を引き暗号機へと案内するジョゼフさん。
写「本当は部屋に飾っておきたいくらい欲しいんだが…かなり手こずりそうだ。ほら、彼も君が欲しいみたいだし」
アハハ、と苦笑いしながら指を指す方向にはギリギリと歯軋りを鳴らすノートンさんが。
ド「ノ、ノートンさん…」
ノートンさんに詰め寄られながらも、ふと思い出すことがあった。
あれ？ボク…名前教えたっけ？
写(やっとあの子に会えた！いつかあの子を写真世界に閉じ込めたい…叶うことならずっとずっと私の傍にいて欲しい。老いることの無い世界で、キミを独り占めしたい。ずっとずっとずっとずっとずっと…！！！！！)
この日ボクは絵画を一日中見ていた。
【思い出と欲望】ジョゼフ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - ああああコメントありがとうございます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡初コメに感動してます…浮気してました許してくださいｯｯ！！○|￣|＿＝3責任取ってこの小説は自分が娶らせていただきます！！！(｀･ω･´)ﾌﾝｽｯ! (2020年4月2日 2時) (
レス) id: 1cb99c78cb (このIDを非表示/違反報告)
ハチャ(プロフ) - こんな素敵な小説に巡れたことに神に感謝†o(・・;) ｱｰﾒﾝ主様にこの小説を続けてくださるよう祈ります。今後の展開が気になりますゆえ頑張ってください (2020年3月29日 1時) (レス) id: dbff3cd75d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - こんな小説を読んでいただき感謝です…！ありがとうございます＜(_ _)＞この小説を見てくださった方に神のご加護があらんことを(-人-)←例えばガチャで欲しい衣装当たるとか(( (2020年3月28日 3時) (レス) id: 1cb99c78cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あまね | 作成日時：2020年3月26日 4時
