緊張と温もり ページ4
A side
あれから何度か山本さんと連絡を取り面接の日が決まった。今日が面接の日なんだけどね。
久しく着ていなかったスーツに腕を通してネクタイを結ぶ。
玄関で革靴に履き替え行ってきますと誰もいない部屋に声をかける。
電車に乗って指定されたオフィスの最寄り駅に降りて歩みを進める。
・
『着いた…ここかな?』
指定された住所に行ってみると特に特徴はない外観だった。シンプルなドアの近くにあったインターフォンを押してみる。ピーンポーンと無機質なベルの音が響く。
??「はーい!」
『突然すみません。本日面接のお約束を頂いております伊泉と申します。』
??「あ!伊泉くん、ちょっと待っててね〜!」
中からドタバタと走る音が聞こえてガチャリとドアが開く音がした。そこにいたのは、スラリとしたスタイル、眼鏡をかけて、優しそうな雰囲気を身にまとっている、肌の白い男性だった。
??「君が伊泉くん?」
『はい、伊泉Aです。よろしくお願いします。』
??「ここじゃなんだし、入って、入って!」
彼は優しく手招きをしてくれる。
『失礼します…』
??「まだ名乗ってなかったね。俺は福良拳です。ここでプロデューサーとして働いています。」
『福良さん…よろしくお願いします。』
fkr「はははっ、そんな緊張しないで!ここに伊沢がいるから、頑張ってね」
どうせ一緒に働くことになると思うし、彼は小さくそう呟いた。
『ありがとうございます、』
fkr「うん、伊泉くんなら大丈夫だよ。またね〜、」
彼はそういうと微笑んで軽く手を振り隣の部屋に入っていった。何故か懐かしい温もりを感じる。優しさが滲み出てる福良さん。
『よしっ、』
俺は軽く気合を入れてからドアをコンコンコンっと3回軽くノックした。
??「はーい!」
中から声が聞こえたのを合図にガチャリと扉を開けた。
『失礼します』
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作者名:重曹 | 作成日時:2021年9月23日 23時