及川徹の心の支え【及川徹】

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「ねー岩ちゃん、次の大会Aちゃん見に来てくれるかな」








トーク画面を開いて"来週の土日大会あるんだけど見に来てくれる？？"というメッセージを打つ








「あいつ毎回見に来てくれてるじゃねーか」





「まあそうなんだけどさー、そうじゃないんだよ」





「はあ？」





「だってAちゃんそっと差し入れ置いてくだけで顔見せないじゃん。それって見に来てくれてるって言うようで言わないの！」





「見に来てるだろそれ」





「だからそうなんだけどそうじゃないんだってば！」








応援席にそっと置かれる部員全員分の差し入れがAちゃんなりの、見に来たよ、お疲れ様っていう証なんだと思う。




けど「おつかれ」って直接言ってもらうのが俺にとっての"見に来てくれる"なの








好きな子に「おつかれ、かっこよかったよ」って頭ぽんぽんしてもらうのが俺の夢なんだから！







あ、でも身長的にAちゃん届かないかな







そしたら俺が屈めばいっか








なーんて、可能性の低い妄想を繰り広げる









「でもよ、俺らだって応援席にいたりすんのに今まで一回も見かけたことないよな」




「そうなんだよね、試合中も観客席見てるけどいないんだよー」




「どこ見てんだお前。目の前の敵に集中しろよ」




「えーだってAちゃん来てるかどうか確認したいじゃん！」




「知らねーよ」




「岩ちゃん恋愛したことないもんね、そりゃ分かんないか」









もちろん岩ちゃんに頭を叩かれました

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