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「で、及川がびびって大声出して走ってったの。でも走った先が壁ですっげえ音立ててぶつかってよ」
「あははっ、なにそれ」
「あん時の及川のやらかしたーって顔は絶対忘れらんねぇ」
監督への用事が終わって帰ってみれば、すっかり青城に溶け込んでるAちゃん
息が絶えそうなほど大笑いしてるAちゃんを見てぽっと心があったかくなりかけたけど、話し手がマッキーということもあって変なこと吹き込まれていないか心配になった
「ねぇなんの話してんの?」
「及川がお化け屋敷でびびって壁に向かって走ってぶつかった話」
「ちょっと!それ誰にも言わない約束だったじゃん!」
「あん時の無様な及川をもう一度みてみたいな」
「私も見たい」
「ヤメテ、Aちゃんには絶対見せらんない!」
もしかしてこういう手の話を延々としてたわけ!?
「ねえ、ほかにどんな話してたの」
「及川が2年の時の文化祭で他クラスの出し物の仕切りを真っ二つにぶち破った話とか、他の人も寝てるのに及川だけ名指しで起こされて怒られた話とか、及川が部活のロードワークで鳥のふん落とされた話とか」
「全部俺の恥ずかしい話じゃん!」
「あ、あとは岩泉が学校帰りに道に迷ったおばあさんを助けたらそのおばあさんが校長の姉でお礼のメロンが送られてきたけど全部は受け取れませんって言って校長室でメロン分けて食べたって話をした」
「なんで岩ちゃんだけいい話なの!?俺のいい話もしてよ!」
「思いつかねぇ」
「ウソでしょ…」
がっくり、と脱力すればとんとん、とAちゃんに肩をたたかれた
「徹、いい話が出なくても、徹のバレー姿がかっこいいのは変わらないよ」
微笑みながら"かっこいい"なんて言ってくるからたまったもんじゃない
顔に熱が集まるのを感じてすぐにふいっと顔をそらした
「…ほお〜」
……まずい
「なるほどねぇ」
非常にまずい
ばっとマッキーとまっつんをみればすっっごいにやにやしてる
「及川、お前Aちゃんが」
「だああああああああああああっ!」
「クソ及川うるせぇ!」
「今の正当防衛じゃん、俺の心のプライバシー守っただけだよ!?」
「あとで事情聴取な」
「あああああああ、最悪だっ」
Aちゃんはきょとんとしたまま
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飛鳥(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったしきゅんきゅんしました!更新頑張ってください!!応援してます! (2020年4月24日 1時) (レス) id: a4e38dcdda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りあ x他1人 | 作成日時:2020年3月10日 21時