番外編6 ルッチとともに ページ45
「…Aさん、今日もよろしくお願いします」
時々次代のCPたちの稽古をつけにいくAは、全体での訓練を終えたあと
もう恒例となったルッチの個人訓練に付き合っていた。
「まだ詰めは甘いけど…うん
すごく上達したわ！努力してるのね」
そう言ってルッチの頭を優しく撫でると、彼はほんのり頬を赤らめながらもむっと眉根を寄せた。
「…Aさん。
俺は男で、この訓練場では1番の腕です
…子供扱いはよしてもらいたい。」
「…そうね、ごめんなさい
そういえば…私もあなたぐらいの時はもう敬礼される立場だったんだわ」
「…！
俺もすぐそうなります、今だってもう任務に行ける！」
「…」
ふと自分の過去を思い出し、思わずそれが口に出てしまったとAは胸の内で後悔する。
しかし表には出さず、静かにルッチの両肩に手を置いた
「…まだ、いい」
「…え？」
こんなこと言ってもなんの意味もないことは分かっている。
そのうちこの少年も、いや、将来有望なこの少年は特に早く
…あの鮮血のにおいを覚えてしまうだろう。
Aは、自身がもっと幼い頃からそのにおいと光景に慣れてしまったことを後悔こそしてないが
他の子も同じにとなるとついその手をつかみたくなる。
「…まだって…」
「…まだ
ムキになれるかわいい君でいて欲しいなあ」
「！」
「(この子がムキになって言った言葉どおり、きっと早くからルッチはCPに採用される。
…一度人を殺せば、多少なり、その瞳に変化がでるでしょう)」
「いやです。」
「え？」
肩に置いた手を掴んで、前より背の伸びたルッチはしっかり私と目を合わせた。
「俺は言いました
あなたより強くなって、あなたを嫁にすると。
あなたに恋人が出来ても、あなたが他の奴と結婚しても、その誓いは変わらない
だからここで止まってなんかいられないんだ
正義をつらぬき、あなたと結ばれるために、
俺は今日も強くなり続ける」
「…ルッチ…」
A目を見開いて、それから微笑んだ。
「そうね、あなたは…私なんかよりずっと大人だわ」
なんの目的ももたず、ただ目先の恨みに従っていたあの頃の私より、ずっと。
「…？」
ルッチはAの手を掴む力を弱め、指先を取った。
…そして、手の甲に唇を落とす。
「…ル…」
「Aさん。
待ってて」
「…ふふ
これは私もうかうかしてられないわね」
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ひはる(プロフ) - みかんちゃんさん» 感想ありがとうございます！！ワクワクしてくださってありがとうございます嬉しいです！今後もなるだけ早くそして楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2019年8月26日 11時) (
レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - guririさん» レス遅くなってすみません！感想すごくすごく嬉しいです！！気まぐれやで掛け持ちも多い亀ですけど、そんな風に言っていただけて嬉しいですし凄いやる気出ました笑ありがとうございます！ (2019年8月26日 11時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
みかんちゃん(プロフ) - 最初から一気読みしちゃいました！凄く面白くて、読んでいてワクワクしました！続編、お待ちしてます！ (2019年8月19日 10時) (レス) id: 5684880501 (このIDを非表示/違反報告)
guriri - 面白いです！続編が待ち遠しいです。 (2019年7月31日 17時) (レス) id: 5d86136675 (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - ユッケさん» ありがとうございます！この作品あまりコメント来ないので結構みなさんどう思ってるか不安だったんです。わたしの理想を夢主にになってもらってまして、それを褒めていただけると本当に励みになりますありがとうございます！続編前回よりは早く出せるよう頑張りますね！ (2019年7月15日 0時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひはる x他1人 | 作成日時：2019年6月24日 23時
